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村長ひとこと(令和7年)

公開日 2025年1月15日

更新日 2025年5月15日

木島平村長 日䑓 正博(ひだい まさひろ)

村長画像

【コロナ禍後の世界】
 さて、コロナ以降、減っていたインバウンド客が盛り返し、昨年は過去最高の入込でした。国内からの海外旅行も増えており、景気は上向いているようです。
 一方、ロシアのウクライナ侵攻、レバノン、ガザ地区の紛争など、世界の混乱はまだ続いています。そして、間もなく大統領が変わるアメリカは予測不能、隣国韓国では政情不安が続き、中国、北朝鮮など近隣国の動きにも目が離せません。国際化が進んだ今、人の流れ、金の流れ、食料やエネルギー等の物の流れなど、国外の動きも村の暮らに直結しています。日用品や食料、光熱費の高騰など、まだ完全に活気ある経済状況とは言えません。生活支援や村内消費拡大対策は引き続き必要と考えています。

【少子化・人口減少対策】
 今、村の最大の課題は少子化対策であり、村の将来を考えるうえで、最重要課題として取り組まなければなりません。少子化対策は単に経済支援だけでなく、若者の定住と雇用の安定、安心・安全な子育て環境、子どもたちが夢を持って学べる教育環境など、総合的な対策が必要です。
 また、集落などの機能を維持していくためには移住および定住対策などの魅力ある村づくりが必要と考えています。

【地球温暖化対策】
 毎年、世界の平均気温が更新されるなど、温暖化対策は地球レベルの課題です。子どもや孫、さらにその先の人類への課題でもあります。
 村では、公共施設のLED化や太陽光発電など、温暖化対策を進めてまいります。個人住宅の省電力化、断熱化支援も行っています。温暖化対策は、国や村レベルだけではなく、個人でも出来ることを少しずつ積み上げていかないと解決できません。村民の皆さんのご理解とご協力をお願いします。

【デジタル社会に向けて】
 デジタル化は否応なく進み、様々な分野でICT化やAI化に対応しなければなりません。すでに小中学校のオンライン授業やプログラミン学習、住民票等のコンビニ交付、確定申告のオンライン申請などが始まっています。日常生活でも、キャッシュレス決済やQRコードによる申請や手続きが多くなりました。
 マイナンバーカードもその一環で、村や国からの給付金受け取りなどを効率的に行うためにも必要になります。昨年12月からは原則としてマイナンバーカードが保険証になり、今年3月からは免許証にもなります。取得されていない皆さんには役場窓口でお手伝いをしますので早めに取得をお願いします。

【非常災害に備えて】
 昨年、村周辺では大きな災害がなく、比較的平穏でしたが、元日早々に能登半島地震が発生してしまいました。また、能登半島では昨年9月に大雨災害も受けるなど大変厳しい状況です。私たちは日々のありふれた普通の暮らしの有難みを忘れがちですが、災害やコロナを通じて改めて普通の暮らしの有難みを知ることができました。
しかし、それは何もせず継続できるものではありません。昨年10月の村ぐるみ防災訓練では、震災の体験談を聴く機会がありましたが、大災害の際はやはり共助が欠かせません。高齢化や生活様式の多様化など、地域コミュニティーが希薄になってきていると言われますが、一朝有事の際には大事な機能として維持していかなければなりません。

【村制施行70周年に向けて】
 令和7年度から始まる第7次総合振興計画では、少子化・人口減少、デジタル化、地球温暖化、災害など、様々な課題に対応しながら「今日より明日、明日より明後日、今年より来年、5年後、10年後」更に良くなるという「希望を一人ひとりが持てる」持続可能な村づくりを目指します。
 今年は巳年。蛇はどちらかと言えば嫌われものですが、脱皮するごとに成長を繰り返し、縁起が良いといわれます。令和7年が村民の皆さんにとって健康で希望に満ちた年となり、村制施行70周年が村とって活気あふれる飛躍の年となることを願って年頭のあいさつと致します。

「神の見えざる手」令和7年5月

 売り手は自分の商品をできるだけ高く売り、より多くの利益を得たいと考え、買い手は同じ品質なら少しでも安く買いたいと考えます。高く売って暴利を得ようとすれば安く売る人が出て値下げします。安く買いたけば商売が成り立たず、その商品は市場から消えていきます。世の中に必要とされているものであれば、買い手と売り手の思惑が一致したところで自然に値が決まり売買が成立します。いわゆる神の見えざる手です。 
 適正な価格であれば双方に利益があります。売り手は一定の利益を得て商売が継続でき、買い手は使用したり消費したりすることで代金に見合った満足感を得ることができます。ただし、条件があります。それは、悪意と情報の偏りがなく、対等な立場で売り買いできることです。詐欺や催眠商法では成立しません。
 多くの人が欲しがっているにもかかわらず、数量が少なければ需要と供給のバランスが崩れ、神の手が価格を押し上げ、買い手を困惑させます。今の米価格です。売り手である農家も困惑しています。消費者は高すぎるなら米以外のものをと考えるかもしれません。生産者は、暴利を得るより、将来とも経営が維持できるコストに見合った適正な価格で売りたいと考えているはずです。
 農産物が消費者に届くまでには集荷や保管、調整、輸送など、様々な段階があり、そのコストにも神の手は働いています。高騰の原因が流通にあるのか、そもそも量が足りないのか。ただ言えるのは、土地利用型農業には面積という限界があるということです。足りないから増やせと言われても簡単に増やせるものではありません。

「生誕70年」令和7年4月

 昭和30年2月1日、木島平村は誕生しました。新村発展に対する村民の意識は高く、旧村のしがらみを払拭するため、小学校名を上木島、往郷、穂高からそれぞれ南部、中部、北部に改称し、消防団、婦人会、青年団、森林組合なども統合しました。また、旧3村を結ぶ大沢橋から大橋への幹線道路の土木工事、全村上水道の敷設など、次々に新たな事業に取組みました。農協ごとに取り組んだ有線放送は、昭和31年に全村開通し、いち早く開局した往郷農協の有線放送は県下初でした。現在の「ふう太ネット」の前身です。
 その後、昭和38年のスキー場開設、翌年にリフト完成、昭和41年に旧役場庁舎竣工、昭和55年には中学校新校舎竣工と続きます。馬曲温泉は昭和63年に営業を開始しました。ちなみに合併当初の役場庁舎は旧穂高村役場で、建物は今も中村に残っています。
 ただ、当時の合併論議の中で実現しなかったこともあります。それは中村を通る長野電鉄河東線の野沢温泉延長です。長野電鉄株式会社でも要望しましたが、様々な事情で実現しませんでした。今では河東線そのものがなくなってしまいましたが、昨今のインバウンドの状況などを見ると、もし中村駅が実現していれば木島平はどうだったのかと思うことがあります。
 合併当初から人口減少が始まり、当初8206人だった人口が今は約半分です。平成の大合併で自立の道を選択して20年、今年は村が誕生して70年になります。今年度から始まる第7次の総合振興計画では「一人ひとりが希望を持てる木島平」を掲げ、人口減少や情報化対応に取り組んでまいります。

「世界の秩序」令和7年3月

 日本では長らく終身雇用であり、今でも主流です。しかし、転職する若者が増えています。理由は様々あり、思っていた職場と違った、給料など条件に不満がある、キャリアアップしたいなど。少子化や人口減少で人集めに苦労している企業が常に募集しているのも一因です。テレビでは転職を促すCMが度々流れます。そして、定年後も再雇用で働く人が増えました。これまで60歳で自動的に肩書が農業に変わった農村では、就農年齢が上がりました。これも農家数減少の一因です。一方、アメリカは年功序列ではなく、自分のスキルを特定の仕事に生かすジョブ型と言われます。スキルが待遇面で評価されなければ辞めて次へ、スキルが足りないと思えば再教育で学び自分の価値を高めます。生涯に転職が10回以上は当たり前とのことです。
 そんなアメリカでは、タリフマン(関税男)を自負する大統領に変わり、世界の貿易やサプライチェーンが混乱しています。アメリカ国民にとって良くなるのか悪くなるのか、いずれにしてもアメリカ国民が選んだ大統領です。
また、政府機関の職員が次々に首になっています。大統領の考えにそぐわない職場は、ほぼ機能しなくなりました。地球温暖化などこれから必要と思われる部署が主です。いくら転職慣れした国柄とは言え、突然は厳しい。主導している「政府効率化省」のトップは有名な実業家かつ大富豪です。立場は選挙や議会で決めたわけではない一国民とのこと。不思議なことに批判や反対はあっても止められません。あらゆる面で世界の秩序を変える強大な力を持つアメリカの在り方は他人事ではありません。

「長野県のガソリン価格」令和7年2月

 金利が上がりました。といっても僅かです。6%以上の金利で貯金が増えるのが当たり前だった昭和世代には実感がありません。ただ、金利らしい金利が付くのは30年ぶりのことで、若い方には貯金に利息が付くのは新感覚のようです。諸外国に比べて金利が低く、円安で輸入品価格が上がり、インフレになっている。そして貯金は目減りしていく。若い方にとって金利とはそんなものでしょうか。
 まずは、企業投資や個人消費が落ち込まない適度の金利で円安が是正され、輸入品価格の高騰によるインフレが緩和されることを期待します。特にガソリン価格です。公共交通機関が少ない長野県では車は必需品であり、少しでも安くなってほしいのは県民共通の願いです。それにもかかわらず長野県のガソリン価格は全国一高いと言われます。山一つ越えるとなぜ10円以上安くなるのか、多くの県民が疑問に思っているのではないでしょうか。たまに隣接県に出かけガソリンスタンドに寄ると、安さとともに列を作って並んでいる長野県ナンバーの多さに驚きます。
 円安・輸入コスト上昇による高騰、その他に長野県では何が足されるのか。山に囲まれ海沿いの製油所から遠く輸送コストがかかる。他にも遠い県はあるはずと思いつつ、何となく理解できる。そして、山間過疎地の利用者が少ないガソリンスタンドでは経営を維持するのにコストが掛かる。覚えている限りでは村内に小さなスタンドが5か所あったが、1か所になってしまったのでこれも理解できる。ただ隣接県との差が余りに大きい。他に説明がつかない理由があるとしたら、それは理解できない。

お問い合わせ

木島平村役場 総務課 政策情報係
TEL:0269-82-3111