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村長ひとこと(令和2年度)

公開日 2021年3月15日

更新日 2024年4月4日

「桜の門出」令和3年3月

 日差しが春めき、遠くから桜の便りが聞こえてきます。しかし今年も花見は控えてということです。それでも散歩がてら近くの公園で見るだけなら良いのではと思います。少し体を動かしたほうが身も心も健康的です。外出が減り、子どものゲームやテレビの時間が長くなったという調査結果があります。それは大人でも同じです。外出自粛がほとんどの人の生活様式を変えてしまいました。
 自分でもテレビを見る時間が長くなったように思います。そんな中で楽しみにしているのが大河ドラマです。今回の主人公渋沢栄一は、20代前半は尊王攘夷思想に傾倒し、20代後半にヨーロッパ視察の機会を得て、30代からは銀行、保険会社、証券取引所、学校、海運や紡績会社など今も残る数々の企業や産業いわば明治期の日本の礎を築きました。激動の時代とは言え、その活躍ぶりには驚きます。その割に知られていないのは、自分の財を築くことや名を残すことより、日本の産業や経済を発展させることを自分の役割と考えていたからだそうです。渋沢の花は、日本の国に咲く花だったのです。
 日本では桜の季節が卒業、入学、就職のシーズンです。人生の節目と重なりひときわ桜への思いが強くあります。せっかく咲いたのに見る人が少なく可哀想とも思いますが、それは人間側の気持ち、花は人に見てもらうためではなく、自分のために咲いています。2年続けて残念なシーズンになってしまいましたが、大事な人生の節目です。自分自身の花を咲かせるための輝かしい門出にしてください。

「ワクチン接種」令和3年2月

 新型コロナの感染拡大第3波はとりあえずピークを過ぎたようです。しかし油断はできません。まだまだ用心が必要です。村民の皆さんには引き続き感染防止対策をお願いします。
 そして、いよいよワクチン接種が始まります。まだ詳細なスケジュールは分かりませんが、順調に進めば今月中に医療従事者等への接種が始まり、続いて高齢者にとなります。ワクチンは健康な人に接種するため治療薬より安全性が求められます。それが心配という人もいますが、副反応はそれほど心配なく、接種しないより接種するメリットの方が大きいということです。世界で最も迅速に接種を行っているイスラエルでは、感染者や重傷者が特に高齢者で減少してきているそうです。報道ではすでに世界各国で接種が始まり、いつの間にか日本は遅れてしまった感があり残念です。
 村では会場や医療従事者などの確保、感染防止対策、ワクチンの保管や移動ルート、接種希望者の取りまとめ方法、接種の順序、会場への輸送方法など様々な検討しています。しかしまだ国等からの細かい内容が示されず、手探りの状況ですが、遅れることのないように体制を整えたいと考えています。
 感染終息に向けてワクチン接種が最も期待される対策です。しかし、多くの人に受けてもらい集団免疫ができないと感染拡大を止めることはできません。原則として、住民登録してある自治体で接種を受けることになります。村ではできるだけ早く、正確な情報提供を行ってまいりますので、村民の皆さんにはぜひご協力をお願いします。

「令和3年に向けて」令和2年12月

 令和2年はオリンピック・パラリンピックで盛り上がるはずでしたが、盛り上がったのは新型コロナウイルスでした。盛り下がったというべきでしょうか。ここへ来てワクチンの開発や接種など明るい兆しも見えてきましたが、感染者の増加や医療体制の危機など暗いニュースばかりで気がめいるという人も多いと思います。
 そんななか、明るいニュースもありました。「はやぶさ2」のカプセル回収成功です。無機物からどうやって有機質ができたのか。地球上で生まれたのか、宇宙からやってきたのか。生命誕生の謎解明に迫る快挙です。
 ただ、人もウイルスも元をたどればルーツは同じということになるのでしょうか。有機物がDNAという遺伝子で自分の子孫を増やし始め、今や地球上で拡張競争している、コロナウイルスの子孫繁栄という活動が、人の生命を脅かし、人もまた子孫繁栄のために戦っているということになります。
 その戦いのなかで様々なことが分かりました。大方の日本人は自粛要請で自粛し、マスクをしています。法律で義務付け、さらに罰金を設け、それでも自粛に応じないどころか暴動を起こす国・地域もあります。改めて歴史や国家制度、経済状況などにより様々な考え方、違いのあることが分かりました。極端かも知れませんが、違いを認めず、人種や宗教、国家制度、経済活動など無闇に自分の仲間だけ増やそうとすれば結果的に人類全体の脅威になります。それを越えて共存と繁栄を願うのがオリンピック・パラリンピックです。令和3年、何とか成功裏に開催できればと願っています。

「二酸化炭素実質ゼロ」令和2年11月

 菅総理は所信表明のなかで2050年までに二酸化排出実質ゼロを目標に掲げました。またスキー場を多く抱える地域にとって温暖化による雪不足は深刻な問題で、長野県はいち早く「気候非常事態」を宣言し、住宅の省エネ化や断熱化、森林整備、太陽光などの再生可能エネルギーの利用などを推進するとしています。木島平村も宣言したいと考えています。
 村内で可能性があるのは水力発電と太陽光発電です。そこで馬曲川発電所を能力アップする計画を進めています。年間発電量は約70万キロワットアワーです。これは約200世帯分の年間電力消費量に相当します。一方で太陽光発電はこれまで大規模施設で発電し売電することが主流でしたが、景観上の課題や売電単価の下落によりブレーキがかかっています。
 地球温暖化は世界規模の課題です。この原稿を書いている時点でアメリカの大統領が決まっていません。どちらになるかで取組みは大きく左右されると言われます。大国は勿論、全ての国、全ての自治体が取り組まないと解決できません。
 また個々の取組みでできることもあります。売電を目的としない自家消費用太陽光発電もその一つです。すでに屋根に設置している家もあり、雪国でという課題はあります。しかし、技術の進歩で効率が上がり、今後主力になると言われます。村としても推進していきたいと考えています。県のホームページには「信州屋根ソーラーポテンシャルマップ」が掲載されています。皆さんの住宅や物置の発電可能性が分かりますので是非ご覧ください。

「政権交代」令和2年10月

 トランプ大統領がコロナウイルスに感染しました。大統領選に向けて大事な時期にと思ったら早くも退院。完治したのか、それとも選挙のために強い指導者の姿を見せたいのか様々な声があります。何かと批判されがちな大統領ですが、大国アメリカの指導者としてやらなければならないことが山積みであることも事実です。 

 今、世界はアメリカ、中国、二つの超大国が覇権争いでしのぎを削っています。その中国では習国家主席が長期政権を目指し、アメリカではトランプ大統領続投かバイデン氏かで激しい選挙戦が行われています。米中リーダーの日本への影響度はかつてないほど大きなものになり、他国のこととは言え関心が高まります。

 心配なのは米中の覇権争いがますます高まり、貿易、経済援助、5G技術、そして軍事からコロナウイルスの治療薬やワクチンまでもがその材料になっていることです。いわば大国主義が、世界の国々をどちらに与するか、色分けしようとしています。

 一方、日本では菅政権がスタートしました。コロナの感染拡大を防ぎながら経済の再生を目指す、最初から多難な船出となりましたが、デジタル庁の創設、携帯電話料金の引き下げ、不妊治療の拡大など実務や実生活面での政策を多く掲げています。菅総理は以前総務大臣を経験し、ふるさと納税の発案者です。地方の再生に力を入れるのではとの期待もありますが、外交面では経験不足とか未知数と言われます。国内をしっかり舵取りすることで国際的な信頼感と存在感を示し、大国主義がはびこる中で世界平和に大きな役割を果たして欲しいものです。

「台風シーズン」令和2年9月

 先月30日、防災訓練を行いました。今年は、新型コロナ感染防止のため、村ぐるみでなく役場職員と消防団幹部のみで、主に避難所の開設訓練となりました。受付で体温を測り、発熱者と健常者の避難場所を分ける、避難スペースを人数によりブルーシートの大きさで区分けし2メートル開ける、仕切り板を立てるなど感染対策を行いながらの避難所を想定しました。その中で、収容人員が大幅に減ってしまうがどうするか、発熱者をただ分けるだけでいいのか、避難者の状況確認をどこまで行うか、車で避難して来た場合駐車場の確保はどうなるかなど様々な課題が出てきました。

 また避難所では、誰がどこに避難しているか正確に把握する必要があります。そのためには代表誰では困ります。氏名や年齢など一人ひとり正確に把握しなければなりません。混乱の中でも正確さが求められます。避難所の運営には避難者のご協力が必要です。

 この原稿を書いているのは台風第10号が日本を抜けた時です。今年は日本周辺の海水温が異常に高く、勢力が大きくなるそうです。そのため非常に強い台風になり死者・行方不明者が出てしまいました。

 しかし、事前の避難や強風対策などがなければもっと大きな被害が出たのではないでしょうか。これから本格的な台風シーズンです。集中豪雨でも正確に予想するのは難しいそうです。地震はなおさらです。気象予報が発達し準備期間がとれるのは台風だけです。秋の収穫時期でもあります。万が一に備え正確な情報で命や財産を守りましょう。

「一極集中と地方分散」令和2年8月

 長い梅雨がようやく明け、しばらく暑さが続きます。熱中症にご注意願います。本来なら東京オリンピックでより熱く盛り上がり、その後はお盆。帰省した家族とともに墓参りをして高校野球を見ながらのんびり過ごしていたはずです。しかし帰省したくてもできない、今年のお盆は寂しくなりそうです。一方、都市は密のままで新型コロナの感染拡大が危惧されます。 

「密」な都市を避け「疎」な地方への移住などを考えている人やリモートワークが増えているようです。直に来てもらえないのが残念ですが、この機会に地方の生活に関心を持ってもらい、魅力を再認識してほしいと思います。

 それにしても日本は、政治と経済、教育機関、そして人が首都圏に集中し過ぎていることを改めて感じました。ひところ中央官庁や大学の地方分散が話題となりましたが、昨今は尻すぼみで、むしろ逆行しているように思います。

 新型コロナも一種の災害ですが、近年は豪雨や台風などの災害が大規模化し、「これまで経験したことがない。」と言う言葉を頻繁に聞くようになりました。さらに近い将来大地震が予想されています。にもかかわらず、水害や津波の被害が想定される地域の人口は増えているそうです。勿論、災害の危険はどこにいてもあります。しかし、重要な機能が一極集中し、同時に失うことは国家レベルの危機です。この機会に移住定住の促進だけでなく、政治、経済など重要な機能の地方分散をもう一度真剣に議論し、本格的に実行していく必要があるのではないでしょうか。

「複合災害」令和2年7月

 首都圏を中心に新型コロナウイルス感染者が増えています。緊急事態宣言が解除後、移動制限が徐々に緩和され、ようやく日々の生活を取り戻し、夏・冬に向けて経済活動を本格化できると思っていたのに残念です。
 そんな中、九州を中心に梅雨の大雨で河川のはんらんや土砂崩れにより多くの方が避難所生活を余儀なくされました。これまでと違うのは避難所で新型コロナウイルス対策が求められることです。検温や消毒、一番困るのは密にならないよう間隔を開けなければならないことです。間仕切りを使い2メートル以上の間隔を保つと収容人数が半分以下になってしまいます。発熱がある人と健常者を分けるとさらに人数が減ります。
 昨年の台風19号災害では飯山市民を含め多くの皆さんが避難所に集まりました。村でも感染防止対策を行いながらの避難所確保に向けて早急に計画を見直さなければなりません。今年の村ぐるみ防災訓練は新型コロナウイルスの影響で参加者をしぼって行いますが、主に避難所の開設や避難者の受け入れ体制、感染症対策を中心に訓練する計画です。新型コロナウイルスも災害です。豪雨や洪水、地震、台風、大雪など複合災害に備える必要があります。
 これから梅雨前線は太平洋高気圧に押し上げられ徐々に北上します。前線が北へ抜けた地域では高気圧に覆われ本格的な夏になります。しかし、北へ抜ける間際は前線に最も近く大雨になりやすくなります。この広報がお手許に届く頃、この地は梅雨の末期で大雨が降る可能性があります。十分ご留意願います。

「ウィズ・コロナ」令和2年6月

 新型コロナウイルスの感染は収束するかと思うと拡大を繰り返しています。今後、第2波、第3波は確実に来ると言われ、その規模がどれほどのものになるかは私たちの行動次第です。働き方や生活習慣などの「新たな生活様式」の中には、長引くにつれてそのまま新たな日常として定着するものもあるのではないでしょうか。
 ウイルスが地球上に生まれたのは約40億年前と言われます。それに対して人類の歴史はせいぜい数十万年、類人猿まで辿っても数百万年です。人の遺伝子の中にはウイルス由来と思われる部分が数多くあり、体内に住み着いているウイルスもいるそうです。その中には人が生きていくのに有益な働きをしたり、進化を促したりしてきたものもあるということです。
 スペイン風邪やSARS、MARS、新型インフルエンザなどが新型コロナと対比して話題になりますが、人類のみならずあらゆる生物は、地球上に誕生したときから数え切れないほどウイルスと戦い、生き延び、時には体内に取り込んで利用してきたのです。最近「ウイズ・コロナ」(コロナと共存)という言葉が使われます。人類は生まれながらにしてコロナと共存してきたのです。
 連日のように通勤ラッシュで混み合う風景や繁華街の人混みが報道されています。そんな環境の中、不安を感じながら生活をしている人も多いでしょう。
 今月上旬にカヤの平高原の山開きと安全祈願祭を行いました。農山村にはちょっとした予防対策で楽しめる場所がたくさんあります。安心して多くの人を受け入れられる状況に早くなって欲しいものです。

「新しい生活様式」令和2年5月

 新型コロナウイルスによる世界経済への打撃は大きすぎて回復できるのか不安です。海外には、感染拡大より経済活動を重視するかのような国もあります。これ以上規制を続けると生活弱者がさらに困窮し命の危機に陥るということです。
 日本では緊急事態宣言が5月末まで延長されることになりました。ただし国内でも感染者の発生状況が異なり都道府県によっては早く解除されることもあるようです。同様に県内でも地域により状況は異なり、経済活動や日常生活などへの対応は自治体ごとに違っています。早すぎる緩和は命の危機に繋がります。遅すぎると経済活動が危機になります。規制と緩和、難しい岐路に立たされています。
 学校再開についても全国の自治体が足並みを揃えるのは難しい状況です。休校期間が長い所と短い所では学力に差が出ます。あまり長いと学校へ行くのが当たり前だった子どもたちの意識が変わってしまうのではと心配です。そのため新学期の始まりを欧米並みに9月にという声もあります。
 国の専門家会議では、長期戦を覚悟しなければならない、感染が限定的になっても油断するといつ拡大するか分からない、その為には「新しい生活様式」に変えていく必要があると言います。自由に買い物をしたり、歌ったり、笑ったり、会食したり、好きなところへ旅行できない生活がこれからもずっと続くのは勘弁してもらいたい。誰もがそう思っているはずです。ただこんな時は、元々人が密ではなく、農作業や庭の手入れでストレス解消ができる農村はまだましかなと思います。

「パンデミック」令和2年4月

 今年の年明け、誰が現在の状況を想像できたでしょう。世界中で急激に増加する新型コロナウイルス感染者と死者。パンデミックは単に病気との戦いではなく、産業経済や医療、教育など様々な仕組みを破壊し、全ての人々から夢と安らぎと命さえ奪う戦争です。日本でも「緊急事態宣言」が出されました。自粛により失うものが多くあります。しかし、その影響を考慮しても人命を守るためにやむを得ない措置だと思います。経済は再生できても人命は再生できません。
 自粛・自粛で経済も人の気持ちも落ち込んでいます。いつまでと見通しが立たないことに不安を感じている人が多いと思います。残念ながらいつ終息するかは誰にも分かりません。ただ、早くなるか遅くなるかは、一人ひとりの行動にかかっています。
 パンデミックは世界的感染拡大です。検査や医療体制が整っていない国、手洗いなど予防さえできない国、紛争地域、様々な理由で感染拡大防止に取り組めない国、日本で収まっても海外で感染が広がっていれば門戸を開くことはできません。早く門戸を開くため世界的な終息と普通の病気として予防と治療ができるワクチンと特効薬の早期開発を願っています。
 現時点で緊急事態宣言は7都府県ですが、他の地域が安全というわけではありません。毎日、全国で感染者が報告されています。そんななか、自己責任などと言って自粛要請を無視する人がいることは残念です。自分が感染者となること以上に自分が感染源になり自分の大切な人の命を失うことを恐れてほしいものです。

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木島平村役場 総務課 政策情報係
TEL:0269-82-3111