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村長ひとこと(令和6年)

公開日 2024年2月16日

更新日 2024年12月13日

木島平村長 日䑓 正博(ひだい まさひろ)

村長画像

【コロナ禍後の世界】
 さて、昨年後半から新型コロナの感染がようやく下火になり、徐々に平穏な生活が戻ってまいりました。人々の活気が徐々に戻り、インバウンドも含めて今年こそ活気ある年になることを願っています。
 しかし、新型コロナの後遺症とロシアのウクライナ侵攻、新たにガザ地区の紛争など世界の混乱はまだまだ続き、日用品や食料、光熱費の高騰などまだまだ完全に活気ある経済状況とは言えません。生活支援や村内消費拡大対策は引き続き必要と考えています。

【少子化・人口減少対策】

 今、村の最大の課題は少子化対策です。新型コロナの感染拡大はその流れを助長し、全国的な課題になっています。村の将来を考えるうえで最重要課題として取り組まなければなりません。少子化対策は単に経済的支援だけでなく、若者の定住と雇用の安定、安心・安全な子育て環境、子供たちが夢をもって学べる教育環境など総合的な対策が必要と考えています。村民の皆さんの力が必要な分野でもあると考えていますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
 また、昨年暮れ発表された田舎暮らしを案内する民間雑誌の「住みたい田舎ベストランキング」2024年版で木島平村は子育て・シニア・若者単身世帯・総合の4部門すべてで上位にランキングされました。集落などの機能を維持していくためには空き家対策などを含めた移住・定住対策も必要です。少子化対策、人口減少対策はやはり、住みやすく魅力ある村づくりだと考えています。

【観光の民間化】

 昨年、スキー場をはじめとする観光については完全民間化に移行しました。予想されていたとおり、暖冬になり雪不足が心配されていますが、年末年始は何とか営業ができました。馬曲温泉については、この春の営業再開を目指して準備を進めています。観光が村の大事な産業として発展することを願っています。

【地球温暖化対策】

 毎年、世界の平均気温が更新されるなど温暖化対策は地球レベルの課題です。子どもや孫、更にその先の人類がどんな環境で暮らしているのか想像すると恐ろしく思います。
 村では昨年暮れに馬曲川発電所のリニューアル工事を行い、売電を始めました。また、公共施設などのLED化や太陽光発電など、温暖化対策を進めていきたいと考えています。個人住宅の省電力化、断熱化支援などにも取り組んでまいります。温暖化対策は、国レベルだけではなく、個人でできること、村でできること、すべての人や組織が同じ目的意識を持ち、少しずつでも積み上げていかないと解決できません。村民の皆さんにもぜひ一緒に考えていただきたい問題です。

【デジタル社会に向けて】

 デジタル化は否応なく進んでいきます。様々な分野でICT化やAI化に対応しなければなりません。すでに小中学校のオンライン授業やプログラミング学習、住民票等のコンビニ交付、確定申告のオンライン申請などが始まりました。日常生活でもキャッシュレス決済やスマホの普及によりQRコードによる申請や手続きが多くなりました。
 マイナンバーカードもその一環で、村や国からの給付金受け取りなどを効率的に行うためにも必要になります。今年10月からは原則としてマイナンバーカードが保険証になります。取得されていない皆さんには役場窓口でお手伝いをしますので早めに取得をお願いします。

【さいごに】

 令和5年は大変な猛暑でしたが、災害は比較的少なく平穏な年でした。令和6年も災害がない平和な年であることを願っていましたが、元日早々に能登半島地震が発生してしまいました。村では震度4を観測し、職員に集合をかけ、消防団の協力を得て村内の状況を確認しましたが、幸い被害がありませんでした。
 しかし、能登半島を中心とした市町村では大きな被害が出てしまい、この原稿を書いている時点で、被害の全体像がまだ把握できないほどです。しかも、翌2日には羽田空港で航空機事故、海上保安庁の飛行機は被災地へ救援に向かう予定だったそうです。お亡くなりになった皆さんのご冥福をお祈りし、被災地の一日も早い復興を願っています。
 最後に令和6年が、村民の皆様に健康で希望に満ちた年となり、村に活気あふれる飛躍の年となることを願って年頭の挨拶と致します。

(広報 令和6年1月号抜粋)

「情報手段の多様化」令和6年12月

 アメリカの次期大統領はトランプ氏になりました。発言が過激で、日本であれば毎日謝罪会見でしょう。しかし、アメリカでは、いちいち言動を批判するのではなく、プラスとマイナスをすべて候補者の特性としてとらえ、リーダーにふさわしいかどうか判断するようです。日本では、政策だけでなく、プライバシーも含めプラスよりマイナスのほうが注目されます。
 国内では、夏の都知事選で思わぬ候補者が得票を伸ばし、国政では与野党が逆転し、兵庫県では失職した知事が再選されました。そこで注目されているのがインターネット上のコミュニティサイトであるSNSです。アメリカの大統領選挙でも多くのフォロワーを持つインフルエンサーの影響は大きかったようです。誰でも簡単に情報を発信し受信できます。仲間づくりや商品のPRもできます。自分の考えを不特定多数に拡散することができ、SNSの利用が多い若者の投票率が上がったともいわれます。一方、発信元が分からない、時には無責任な情報、根拠のない情報が流れるなどの問題も指摘されています。それでも新聞やテレビより信頼できるという人が数多くいるようです。
 世界一の大国アメリカの動向は予測不能、中国は景気低迷、韓国は戒厳令の余波、そして、日本は国政が流動化。不確実な時代こそ多様化した情報手段の中から確かな情報を受け取る必要があります。
さて、間もなく年末、かつては歳末商戦だけでしたが、最近ではハロウィンにブラックフライデー、クリスマス、魅力的な情報戦に乗せられ歳末まで財布がもつかどうか。それでも何とか盛り上げて景気がいい新年を迎えましょう。

「情報過多」令和6年11月

 今、情報源は多岐にわたります。昔ながらの口コミや新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、インターネット、それに加えてインスタグラム、LINE、XなどのSNSがあります。情報を受け取るだけでなく、誰でも発信することができます。しかし、本当に必要な情報をしっかり受け取っているのでしょうか。その発信源は信頼できるのでしょうか。その情報は本当なのでしょうか。
 最近は、いわゆる闇バイトで集められた若者による強盗事件が多発しています。「誰でもできるホワイト案件、日当10万円即日払い」そんな仕事は決してホワイトではありません。ブラックです。普通に情報を得ていれば犯罪者として人生を台無しにすることはありません。
 また、特殊詐欺による犯罪被害も絶えません。「警察官、銀行員がキャッシュカードを預かる、暗証番号を聞くことはありません。」「有名人が投資のもうけ話をインターネットで募ることはありません。」などと、犯罪被害防止を呼び掛けています。しかし、それでもキャッシュカードや現金を渡したり、お金を振り込んだりしてしまっています。これだけ注意喚起をしているのにどうしてと思います。
 私たちは様々な手段で情報を得て、それに基づいて考え、行動します。しかし、今は情報過多の時代であり、一人の人間が受け入れることができる情報量は限られています。情報源が偏らないようにしないと大事な情報につながりません。
 村でも、広報誌、ふう太ネット、ウェブサイト、公式LINEなどの様々な手段で情報を発信しています。必要な情報がしっかり村民の皆さんに届いているのか、気になるところです。

「鉄路今昔」令和6年10月

 50年近く昔になりますが、私が学生のころ東京の玄関口は上野駅でした。バスで飯山駅へ行き飯山線に約1時間で長野駅へ、そこから特急なら約3時間、急行なら約5時間だったと記憶しています。私はもっぱら急行を利用し、今ほど車社会ではないため結構混雑し、通路に新聞紙を敷いて寝たこともあります。混雑を避けて深夜に出発すると、着いたころ都内の始発は動いていません。薄暗い上野公園のベンチで時間をつぶしていると家出と思われ、職務質問されたことが2度ほどあります。横川駅では「峠の釜めし」が定番です。ホームに降りて買うか、窓越しに買うか。売り切れて買えないときは高崎の「だるま弁当」、車内販売で幕の内ということもありました。椅子席を向かい合わせにして酒盛りする喧騒と煙草の煙の中で車窓から景色を眺めたり本を読んだり。東京へ行くだけでも様々な出来事がありました。
 新幹線飯山駅開業以来、東京は近く、早くなりました。車窓から流れる景色に目が回り、ぼんやりしているうちに着いてしまいます。少し早めに朝食をとれば、東京で仕事を済ませ帰って家族と晩ご飯。片道2時間弱、そこに何か入り込む隙はありません。
リニア新幹線は尚更です。東京・大阪間は1時間強で着くとされ、トンネルが多く景色も旅情も楽しめないと嘆く人がいます。しかし、郊外から首都圏へ毎日1時間以上かけて通勤電車に乗っている人を思えば単なる移動手段と割り切るほかありません。開業が当初より延び、私が乗る機会があるのかどうか。もし乗れたら、節約した移動時間は降りた駅のその先の楽しみに費やすことにします。

「激甚化する災害」令和6年9月

 気象庁は今年の夏が統計開始以来、昨年に並び最も暑い夏だったと公表しました。ますます進む温暖化は、熱中症だけでなく大雨など災害の激甚化をもたらします。
 木島平は災害が少ない村だとよく言われます。確かに、千曲川のバックウォーターで大塚沖などの農地が冠水することは度々ありますが、豪雨や台風、地震などで人身や家屋などの大きな被害は近年ほとんど記憶がありません。まして時間雨量100ミリや日雨量500ミリ、風速50メートルなどは経験したことがありません。そのような豪雨や台風は、我々人間だけでなく山や川などの地形や地盤も含め、村のすべてが未経験です。もし仮に起きれば、急峻な山や川はどんな状況になるか、家屋や立木はどうなるのか容易に想像できません。
最近よく聞くのは、「ここで何十年も暮らしているが初めてだ。」「こんなことになるなんて夢にも思っていなかった。」という言葉です。今まで無かったからという考えはこれから通用しません。私たちの想像を超える災害が発生するリスクは高まっています。これまで災害が少なかったことを災害に強いと勘違いしてはいけません。むしろ、度々豪雨や台風被害を受けている地域に比べ弱いと言えます。村が強いのは豪雪災害だけです。
 大規模災害では公助が機能しないこともあります。そのため、村では、各地区に共助といえる自主防災組織づくりをお願いしています。そして、最後に自分を助けるのは自助です。10月に村ぐるみ防災訓練を行います。訓練を機に万が一の場合、自分がどう行動すればいいのか改めて確認してください。

「平和の祭典」令和6年8月

 パリは北海道より北に位置しますが、海流と偏西風のため比較的気候は温暖で、雨が少なく湿度が低いそうです。各国の選手がしのぎを削っているパリは、前回の東京より環境はいいようです。日本人選手が活躍し、寝不足という人も多いのではないでしょうか。
 オリンピックはスポーツを通して人類の発展に貢献することを目的にしています。1964年の東京オリンピックは日本の戦後復興と経済発展に大きく貢献しました。また、これまでの歴史の中で数々の名場面やドラマが生まれました。今回も多くの選手の活躍が伝えられ、盛り上がっています。
一方、同じ番組の中で今起きている戦争や紛争のニュースが流れ、違和感を覚える人もいるようです。振り返ってみれば平和の祭典は幾度も世界情勢に翻弄されてきました。1940年の東京オリンピックは日中紛争の激化によって幻となり、1980年のモスクワではソ連のアフガニスタン侵攻に抗議し、アメリカを中心に多くの国がボイコット、逆に1984年のロサンゼルスではアメリカのグレナダ侵攻に抗議するソ連など東欧諸国がボイコット、多くの選手が涙しました。パリでも参加できない国、選手がいます。加えて近年は、ネットの中で選手や審判員に対する誹謗中傷が飛び交っているとのこと。残念です。
しかし、出場選手にとっては様々な試練に耐え、時には何かを犠牲にして掴んだ出場機会であり、最高のパフォーマンスを見せる舞台です。夢を追う一個人としての立場と、国の代表としての立場を背負う選手の努力と苦労に敬意を表し、その栄冠を祝福します。

「歯」令和6年7月

 失ってから大切さに気づくものは数多くあります。歯もその一つです。一番大きな役割は食べ物を噛む、咀嚼することです。それにより栄養素の吸収効率を高めます。エナメル質に覆われ人体の中で最も固い組織と言われます。更に発声を整え、顔のバランスを保つ役割もあります。歯が揃っているときはそれが当たり前で、大切さに気づきません。
 私も40代前半まではあまり歯のトラブルもなく、気にしていませんでした。しかし、40代後半に奥歯が歯肉炎になり腫れて痛くなりました。丁度仕事が忙しく痛み止めでごまかし、歯医者へ行ったときには手遅れ、結局抜かれました。今は丁寧に歯磨きをしているつもりですが、その後も何本か抜くことになってしまいました。
 最近は歯が生える薬の研究が進んでいるそうです。まずは先天的に歯が少ない子供の治療にということですが、将来的には歯を失った大人も対象になるようです。実現すれば「歯生え薬」と言うのでしょうか。
 とはいえ当面、生え変わるのは一度だけ、一生ものです。人生100年時代、今ある歯を大事にするのが一番です。食べたいものが食べられるのは単に栄養を摂るだけでなく大きな楽しみでもあります。それが心の健康にもつながります。また、奥歯でしっかり噛むことで脳に刺激を与え認知症予防にもなるそうです。逆に歯周病の原因菌が血流を通して脳に入ると、認知症の原因となるアミロイドβが増えるという研究もあります。まずは日頃からしっかり手入れをする。しかし、自己流だと磨き残しがあるようですので、定期的に歯科検診を受けましょう。

「きれい好き」令和6年6月

 今月上旬、調布木島平交流クラブの皆さんが田植え体験ツアーで村を訪れ、翌日には我が家の畑でアスパラの収穫体験をしました。子ども連れの若い皆さんも多く、楽しんでいただけたのかなと思います。ただ子供たちはアスパラよりカエルや小さなバッタなどの昆虫に興味があったようです。夢中で追いかけ、素手で捕まえ喜んでいる姿を見ると、微笑ましさとともに逞しさを感じました。
 日本人は、他の国に比べきれい好きと言われます。一つの理由は水が豊かでいつでも手や体を洗うことができるからです。また、家の中に入るとき、外の汚れを持ち込まないという生活様式も一つの理由かと思います。だから除菌スプレーや除菌装置が人気です。
 しかし、子供のころ適度に菌と触れることで抵抗力が増すそうです。人の体には様々な菌が住み共生しています。例えば大腸菌は100兆個くらいいて、消化だけでなく免疫機能を高める役割も果たしているそうです。その種類が多いほど抵抗力が強いと言われますが、種類の数が決まるのは3歳ごろまでとのことです。また、予防接種は、健康に害のない程度の菌やウイルスを体に入れることで抵抗力を高めます。
 衛生観念は、乳幼児の生存率向上に大きな役割を果たし、新型コロナの最中は皆がマスクを着け、除菌しました。今もコロナの感染は続いており、最近は人食いバクテリアと言われ死亡率が高い劇症型溶血性レンサ球菌も増えているそうです。衛生観念は大事ですが、きれい好きも度が過ぎると逆に人を弱くしてしまうのではと思います。

「自然相手」令和6年5月

 暖冬の影響が続いているのでしょうか。我が家のアスパラは例年より早く4月下旬から出始め、連休中がピークでした。同時に、雑草も大繁茂し、草刈りに追われました。今年は無益な仕事が多くなりそうです。
 海でも温暖化が止まりません。長野県は年取り魚の分かれ目と言われ、東北信はサケ、中南信はブリです。近年は東北や北海道でブリの水揚げが増え、サケは減っているそうです。我が家は昔から年取り魚と言えば新潟の塩鮭、だがそれもいずれはブリになるでしょうか。
 魚は水温によって生息地を移動します。狙った魚が獲れず、思わぬ魚が大量など漁師も戸惑いが多いそうです。人が栽培する野菜などは、気候に合わせて選ぶことができます。とは言え新たな作物に挑戦することは大きな冒険であり、新たな害虫や病気とも戦わなければなりません。自然相手の仕事である農業と漁業は思うようにならないことが多々あります。
 最近は、資材や燃料、人件費のコストを価格転嫁することが容認され始め物価が上がっています。しかし、物価というと必ず生鮮食料品は除くとあります。生鮮野菜、生果、鮮魚は価格変動が激しいからということです。しかし、出荷価格も販売価格も自ら決めているわけではありません。直売や相対で価格を決める人もいますが、多くは市場に出荷し、多くの手を経て店頭に並びます。生産者がコスト転嫁するのはほぼ無理です。高ければ売れない、安ければ売っても儲からない。しかし、人が生きていくための根源的な必需品、食料を生産しているという自負があります。その自負に応える仕組みにできないものでしょうか。

「日本の桜と花見」令和6年4月

 今年は暖冬で桜の開花が早いという予想でしたが、3月の中旬以降寒い日が続き、例年より遅い開花となりました。
 桜は北半球の温暖な地域にもともと自生しているそうで、日本の固有種はエドヒガンやヤマザクラ、オオシマザクラなど10種類ほどです。突然変異や交雑しやすい植物で、国内には人工的な品種改良や自然交配してできた品種が数百種類あると言われます。その中で日本の代表的な桜と言えばソメイヨシノで、最初の1本は江戸時代にエドヒガンとオオシマザクラが交雑して偶然できたと言われます。成長が早く2・3年で花が咲き、花付きが良いのが特徴で全国各地に植えられています。交雑しやすくクローンでないとその良さが受け継がれないため、1本の木から接ぎ木や挿し木で増やしたというのはよく聞く話です。遺伝子特性が同じため、同じ環境ならすべての木が一斉に咲くため美しさが際立ちます。そして散るときもほぼ同時です。
 日本で花と言えば、奈良時代までは梅、平安以降は桜であり、その頃すでに品種改良が行われていたそうです。西洋にも桜はありますが、主に大きな実、サクランボを採るために品種改良しました。一方、日本では花付きが良く、美しい桜を求めて品種改良してきました。花見が全国的に広まったのは豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」と言われます。今、世界で桜というと日本がイメージされるのは桜の美しさと花見という慣習のためです。
 長らく花見は規制されていましたが、今年は大きく賑わいで、景気が盛り上がることを期待しています。

「移民」令和6年3月

 最近インバウンドの盛り上がりが良く話題になります。円安で日本はかなりリーズナブルな旅行先になっていることが大きな理由です。
 一方今、世界で大きな問題となっているのは移民問題です。ヨーロッパでは移民に対する考え方の違いで政権交代が度々起きます。アメリカはもともと白人系が多く、その後に移民として入ってきた黒人系、ヒスパニック系やアジア系が混じった移民国家です。元をただせば白人も移民です。今でも多くの移民が押し寄せています。貧しい国の人々にとってアメリカは夢が実現できる国なのです。そして夢を実現するための努力がアメリカの経済成長のもとでもありました。
 しかし、今アメリカでは移民に対する目が厳しくなっています。それは、人口構成の6割を切り、間もなく半分以下になると言われる白人の仕事と富が移民に奪われているという危機感です。11月の大統領選挙の大きな争点と言われます。世界一の経済大国であり、日本の経済や安全保障などにとっても大きな関わりがあります。
 日本には300万人以上の移民が暮らしています。ただ永住権取得のハードルが高く、ほとんどが労働力不足を補うために移住した外国人労働者です。しかし、これから永住権を持つ外国人、ルーツは外国でも日本人として生まれる人が増えるのは確実です。移民政策がどう変わるか分かりませんが、島国だからと言って人種のグローバル化は避けられません。むしろ私たちのルーツが、はるか昔、海を渡って来た移民でありながら、鎖国的で特殊な国だったのかもしれません。

「地震災害」令和6年2月

 令和6年の始まりは、誰もが予想しないものでした。夢と希望を新たに団らんしていた元日の午後4時10分、最大震度7の大地震が能登半島を中心に発生しました。村でも震度4を観測しましたが、幸い大きな被害は確認されませんでした。
 被災地の状況が徐々に明らかになり、支援に向け動きが始まっています。村でも県の要請に基づき1月下旬から輪島市と羽咋市に職員を派遣しています。また、村独自の支援として能登半島先端の珠洲市に職員が食料や生活物資を届けました。以前村の地域おこし協力隊として活躍した女性が、今は珠洲市で同じような活動をしています。その関係もあり昨年、区長会の視察研修先は珠洲市でした。支援物資の中には村民の皆さんから無償で提供していただいた品もあり、感謝申し上げます。村独自にできることは限られますが、少しでも励ましになればと思います。被害が大きい自治体では未だに市役所等の機能が十分果たせず支援活動は今後も続くと考えています。
 木島平は災害には比較的強いと言われます。しかし、油断は禁物です。約180年前に起きた善光寺地震は、千曲市から飯山市まで千曲川沿いに伸びる長野盆地西縁断層が原因です。震央は長野市辺り、丁度、善光寺の御開帳が行われており、参詣客を含め約8000人が犠牲になったと言われます。村内でも家屋が倒壊し亡くなった人もいるそうです。
 地震と他の自然災害との一番大きな違いはいつ・どこで起きるか予測できないことです。予め、準備できることは限られます。まずは自分と家族の命を守る行動を再確認してください。

お問い合わせ

木島平村役場 総務課 政策情報係
TEL:0269-82-3111