公開日 2022年5月2日
更新日 2024年4月18日
小林秀里さん
【プロフィール】
神奈川県横浜市生まれ。夫と昭和2年生まれの母との3人暮らし。
ご夫婦とも前職は警察官。結婚を機に退職、主婦のかたわら影絵グループ「影ぼっこ」を結成し三浦半島や逗子、葉山などの小学校で披露するほか「葉山タートル」の屋号で粘土作家としても活動。
現在は、絵画や二胡などの芸術活動や地域の歴史文化を学ぶなど、積極的に村の活動に関わりながら、家族で自然の生活を満喫中。
移住前はどこでどんなことをしていましたか?
神奈川県で主婦と子育てをしていました。
移住を考えたきっかけは?
ソロウの「森の生活」という本を高校生くらいの時に読み、そこに書かれている自給自足の暮らしに憧れていました。仕事を終えたら自然の生活がしたいと思っていたんです。
移住までのながれを教えてください。
移住先を探すなかで、姉が途中からついてくるようになって、一緒に各地をまわっていた内の1つが木島平でした。
こういうのは、ご縁ですね。
はじめに姉が稲穂がキレイな景色を気に入ったんです。
それで、はじめ古民家を探していましたが、直せば3000万円はかかると聞いて、新しく建てることにしました。
家を建てる作業は楽しかったです。
2012年の秋に家が完成して、それからは月1回のペースで通って、2016年の秋に夫の定年を待たず先に母と私が移住して、その翌年に夫がようやく合流しました。
利用した支援制度や補助金はありますか?また、情報はどう入手しましたか?
支援は受けていなくて、夫の退職金と自分のヘソクリで、無借金で建てました。
家が建つまでの5年間くらいは宿泊施設を利用していました。梨の木荘は気楽でした。
梨の木荘(簡易宿泊施設)
移住先を見つけるのには苦労しました。あちこち見すぎて決められなくなっていたんです。
当時「ふるさと情報館」という雑誌の購読をしていて、その現地コーディネーターをしていた不動産業者さん(みゆき野企画)から、ここの土地を紹介してもらいました。
今のお住まいはどのように手に入れましたか
まず土地を買って、地元の業者に頼んで“雪国仕様”にしてもらいました。
屋根の角度や家を建てる方向など、雪対策をと思って。
現在はどのような暮らしをしていますか?休日の過ごし方は?
冬はスキーと雪かき、夏は草刈りと薪づくり。小さな畑も作っています。
毎日が休日なので、春は山菜採りに行ったり…忙しいです。本を読む暇もないくらい。
地域とのつながりはどうしていますか?地域の人たちの印象は?
自宅のご近所さんとは親しくお付き合いしていますよ。地域とのつながりは、母が人間関係を作ってくれたという感じです。母がお世話になっているデイサービスで、介護者懇談会に参加したことから、お寺で開かれているサロンに誘ってもらって。
そこから「水彩くらぶ」や「二胡の会」に参加するきっかけになりました。
その活動場所で中町展示館の存在を知って「管理人になってみない?」って誘われて、シルバー人材センターに登録して管理人の仕事もやることになって…色々な方とお会いする機会ができています。
地域の文化や歴史も好きで「せっこ塾」や「木島平自然学校」にも参加しています。
古文書講習会では、自分の家にある古文書を使って講習するなんてなかなかないことだと思います。先生の話がまた面白いんです。
生涯学習講座・イベント情報
どんな時に木島平村に移住してよかったと思いますか?暮らして感じる魅力は?
初めて経験することが多いです。庭にカモシカが来るとか…。
よそからいただくお料理などが珍しくて、「これ何ですか?」とよく訊きます。
暮らして感じる魅力は、『豊かな自然と人間』です。
カヤの平高原はすごいですよ。いいところだなあと思います。
村の人は自分たちの価値を分かっていない!と感じることもあります。
中町展示館だって「日本有数の施設だ」って称賛する人も居るんですよ。
夫も「幸せだなあ」と言っています。スキー三昧に、昼寝をして、毎日温泉に入って…初めての経験に対しても喜んでいます。
移住して驚いたことはなんですか?また、困ったことはありますか?
お葬式のやり方が違うこと!
こっちでは、骨壺がなくて木箱で、お墓には灰だけを入れている(※宗派によって異なる)と知って驚きました。
困ったことは特にありません。
木島平村の環境について感じることは?
「高齢化」をよく感じます。でも、元気なお年寄りが多い!
“木島平スキーを楽しむ会”に入っているんですけど、50代~90代の方がメンバーで。92歳のおじいさんが元気にスキー場で滑っているのはみんなの憧れになっています。
スキーが上手なお年寄りと孫、という組み合わせもよく見かけます。
お気に入りの場所について
自宅とその周辺が好きです。
好きな地域の食は、山菜と野菜類。アスパラや大根や…「それは玄関先に置いてあるもんだ」「あれは買うもんじゃない」なんて言われるくらい、いただくことが多いです。
母も、デイサービスから帰ってきて「おやつで何が出たと思う?」と食べたものを教えてくれたり。
村の方に色々教わるからか、「料理の腕を上げたね」と子ども達に言われます。
今後やってみたいこと、取り組んでいることはありますか?
絵とスキーを上達したいです。
あとは、40代の甥が最近、味噌が入っているプラスチック包装が気になるから自分で作りたいと言うので、そのために大豆を作ろうと思っています。
移住を検討されている方にひとこと!
楽しいからいらっしゃい!
あ、でもシティガール、シティボーイには向かないかも。