公開日 2018年12月17日
「新型コロナウイルス」令和2年3月
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。村でも止むを得ず小中学校を3月3日から休校にしました。さらに国では密集した集まりや不特定多数の人と接することを避けてほしいと要請しています。北海道では症状が軽く行動範囲が広い若者が感染を広げる可能性があると言っています。結果的にイベントや集会、行事、旅行などの自粛ムードが高まり経済に与える打撃は相当大きくなっています。しかし北海道知事ではありませんが、できることはすべてやる。そのくらいでないと収まらないのかもしれません。
今ではマスクや消毒液がほとんど手に入りません。在庫が十分あり、感染が広がっても使用量が増えないトイレットペーパーやティッシュペーパー、オムツなども品不足になっています。デマと分かっていても空の棚を見ると心配になる。それだけ不安が高まっているということでしょうか。
また、残念ながら当面プロ野球や大相撲などは無観客になりました。選抜高校野球はどうなるのか心配です。そしてオリンピック。長く苦しい練習に耐えようやく代表の座を掴んだ選手が、多くの観客の声援を受け活躍する姿を是非見たいものです。
目に見えない敵との戦いですが、絶対に勝つことができます。問題は、それがいつかです。経済への打撃は大きいと言っても構造的な不況ではないので事態が終息すればV字回復すると言われます。今年の桜の開花はかなり早いようです。終息も早まり、花見で景気も気持ちも盛り上げたいものです。
「雪不足と新型肺炎」令和2年2月
昨年暮れから続く雪不足は異常です。私の記憶では過去最悪です。雪国には雪があって当たり前、苦労はあっても、それを前提に仕事や暮らしが成り立っています。スキー場関係は勿論、除雪など雪に関わる仕事で生活をしている人が多くいますので、雪国の経済にとって大きなダメージです。
全国的には首都圏で雪が降るかどうかは大きなニュースになりますが、雪不足はほとんどニュースになりません。雪のない地域の皆さんは不思議かも知れませんが、地域によっては昨年の台風被害以上です。早くも今年の春から夏にかけては農作業用の水不足が心配されています。近年の猛暑や雪不足は地球温暖化と関係しているといわれます。小さな村からでも温
暖化対策に取り組んでいく必要があります。
さらに今年は新型コロナウイルスによる脅威により観光には大きなダメージです。世界の工場と言われ急速に経済力を増し、世界第2位の経済大国となった中国が発信源ということで、これから世界経済に及ぼす影響は大きなものとなるはずです。かつて「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」と言われました。中国の肺炎騒動が世界各国にどんな症状をもたらすのか心配です。国内でも部品不足が製造業に与える影響が懸念されています。村では雪不足でもスキー場を訪れていた中国からの観光客がキャンセルとなりました。訪日客の減少により観光業や国内消費への影響も大きくなっています。
雪不足に新型コロナウイルス、この広報がお手元に届く頃には解消されていることを願っています。
「新旧庁舎」令和元年12月
昭和41年6月、旧役場庁舎の竣工式が行われ、村民に公開されました。当時私は小学校4年生でした。母だか祖母に連れられて屋上に上り、風船か何かをもらったようなことをおぼろげながら覚えています。木島平村が発足したのは昭和30年2月、それまでは木造の旧穂高村役場を使っていました。新村発足後11年も要したのは、新村建設のエネルギーを産業振興や生活環境の改善、教育振興に注いだためということです。当時はまだ周囲に大きな建物がなく、鉄筋コンクリート3階建ての立派な庁舎に驚き、村発展の象徴のように感じて高揚感に包まれたことを記憶しています。
以来53年間、村の拠点として使用され、様々な村の出来事を見つめてきてくれました。重厚な趣がある庁舎は刑事ドラマで警察署として使われたこともあります。しかしいつしか老朽化し、ついにその役割を終えました。長い間たいへんご苦労様でした。そして、ありがとうございました。
新庁舎が完成したことにより、来年旧庁舎は取り壊し、跡地は道路などの周辺整備に併せて防災広場とし、平常時は村民憩いの場にしたいと考えています。
新たな庁舎は行政や議会、防災の拠点として9日に竣工式を行い、16日から業務を移転します。耐震性は勿論、省エネやバリアフリーなどにも配慮しました。是非、お出かけ頂きご覧いただきたいと思います。そしてこれからの木島平村の発展と村民融和の拠点として長く親しんでいただきたいと願っています。
「台風19号」令和元年11月
台風19号は全国に大きな爪痕を残しました。台風15号、後の豪雨と続けて被害を受けた地域もあります。亡くなられた方のご冥めいふく福と被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。村内でも農地の冠水や農業用施設の一部損壊など被害があり復旧を急いでいますが、他市町村に比べると軽微でした。村の避難所には飯山市民も含め、多くの皆さんが避難しました。不安な一夜を過ごしたものと思います。
地球温暖化、単なる気候の周期変動、それともたまたまか。最近は「これまで経験したことのない。」とか「百年に一度」などの言葉が頻繁に使われ違和感を覚える人も多いと思います。 地震については耐震基準の強化などハード面での対策は進んでいます。しかし30年以内の大規模地震発生確率が数十パーセントと言われても、漠然としていて今すぐ避難しようとは思いません。結果的に地震や津波の後に行動します。
それに対して台風や豪雨は、観測や予測技術が格段に進歩し、正確な情報を得ることができます。また、ハザードマップの重要性も再認識され、事前の対応が可能です。また水害については過去のデータも多く、これまでそのデータを基に多額の費用をかけ、堤防や排水施設の整備など行ってきました。
にもかかわらず全国で被害が多発しました。まさにこれまで経験のない水量だったのかもしれません。異常気象が当たり前になった今日、降った雨は大きな川に集めて海へ流すという従来の考え方ではおさまりません。本流、支流を含め、上流から下流、河口まで抜本的な対応が必要です。
「ラグビーワールドカップ」令和元年10月
ラグビーワールドカップが盛り上がっています。日本は初戦のロシア戦に続き格上のアイルランドにも勝ちました。次のサモア戦、勝てば決勝トーナメントも、そんな期待がかかる試合当日、姉妹都市調布市のパブリックビューイングに行きました。試合前から調布駅周辺は大混雑、しかも、試合後は勝利で国籍入り乱れての盛り上がり。まさに「4年に一度ではない。一生に一度だ。」世界の祭典の盛り上がりは貴重な体験となりました。
調布市の東京スタジアムで行われたのはイングランド対アルゼンチン戦、日本戦は愛知県豊田市で行われましが、ファンゾーンでは日本戦を大きなスクリーンで見ることができます。また、大きな商業ビルの壁面には大型スクリーンに映し出され、誰でも見ることができました。
ラグビーと言えばビール。期間中には40万人の訪日客が見込まれ、ビールが大量に消費されるそうです。確かにビール片手に、なかには缶ビールを3本抱えている外国人もいました。皆さん大柄、ビールもたくさん飲みそう。まるで試合会場に紛れ込んだようです。
もう一つ、ラグビーと言えば紳士のスポーツ。体当たりでの激しい戦いの後は勝敗に関わりなくお互いの健闘を称えあう「ノーサイド」。最近、日本以外の国では単に試合終了を意味する「フルタイム」と言うそうです。しかし、試合後の光景は互いを称えあう「ノーサイド」の精神を受け継いでいます。世の中にはスポーツ以外にも様々な戦いがあります。もっと「ノーサイド」の精神を広げましょう。
「あおり運転」令和元年9月
傷害事件や死亡事故などにつながることもある「あおり運転」が話題になっています。あおり運転という違反があるのではなく、他車の交通を妨げる目的で車間距離を詰める、急ブレーキをかける、車線変更を行うなどの違反の総称です。
昨年の車間距離保持義務違反件数が前年に比べて1.8倍に急増したそうです。取り締まりが強化されたこともありますが、ドライブレコーダーの普及により違反を実証しやすくなったことも要因だと思います。
ドライブレコーダーの売れ行きが伸びていますが、犯罪や事故から身を守るためのアイテムは数多くあります。スマホのGPS機能は、子どもの居場所確認などには便利です。しかし、誰が、どこにいるのか調べることにも使えます。防犯カメラは至る所にあり、事件解決に大いに役立っています。自分の画像も映っているはずです。どう見えているのか気になります。電車内で痴漢行為を行った人に印をつけるシャチハタまで売り出されました。満員電車に乗ったら、どこに手を置けばいいのか考えなければなりません。誰もが犯罪や事件には巻き込まれたくないと思っています。ただ自分の何気ない行為を疑われないための用心も必要です。
車間距離は、天候などにより明確な基準はありませんが、時速50キロメートルでは35メートル、時速100キロメートルでは100メートル以上が必要とのこと。日ごろ車間を詰めて運転しがちな人は、そのつもりが無くても前の車が、あおり運転と感じ、トラブルを招き、ドライブレコーダーが自分の違反を証明することになるかも知れません。
「祝 甲子園初出場」令和元年8月
飯山高校が、雪国の公立高校という大きなハンディキャップを乗り越えて夢を実現しました。「おめでとう!!」。そして、私たちの悲願を果たしてくれて「ありがとう」。
今年は、冬からスキーで村の選手が活躍し、多くの夢と勇気を与えてくれました。しかし、正直言って夏にもこんな感動を味わうことができるとは思っていませんでした。選手はすべて周辺地域の中学校から集まり、冬は土のグラウンド練習ができない、そんな環境の中でつかみ取った栄冠は本当に価値あるものです。さらに嬉しいことに県大会では、木島平中学校出身の2人の選手とマネージャーがベンチ入りし、甲子園出場の一翼を担う活躍をしました。すでに甲子園でのベンチ入りも決まり、甲子園練習を済ませたようです。
甲子園入り前、3人が村へあいさつに来てくれました。期待は大きい、でもそれをプレッシャーとして感じることなく、のびのびと甲子園での試合を楽しんで欲しい、結果はついてくると激励しました。この原稿を書いているのはまだ組み合わせ抽選の前です。結果は勿論、試合日程も分かりません。しかし、今からワクワクしています。ぜひ、甲子園で直に声援を送りたいものです。
飯山高校は、敗れた83チームに新たな夢を託されたのです。長野代表としてできるだけ長く県民を楽しませてください。台風シーズン最中。しかし、甲子園で台風の目になるのは大歓迎。体調を整えて、暑い夏を更に暑くする甲子園での健闘と、これが新たな飯山高校甲子園伝説の始まりになることを願っています。
「古代ハス」令和元年7月
「ハス寺」と言われる稲泉寺の蓮が咲いています。そのなかに「大賀蓮」と言われる古代ハスがあるのをご存知だと思います。大賀蓮は遺跡発掘の際に発見された実を植物学者の大賀一郎博士が発芽させ、開花に成功したものです。年代測定の結果は弥生時代、今から2000年以上前のものということです。稲泉寺には縁あって根分けされました。蓮の実は厚い殻に守られ、長い年月発芽能力を保つことができるそうです。
かなり昔になりますが、私は稲泉寺から実を幾つか頂きました。その時に「なかなか芽が出ないので少し削ったほうが良い。」と言われ、やすりで削り、泥が貯まった庭の池に撒いてみました。それから20年近くになると思いますが、いまだに芽が出てきません。削り方が間違っていたのか、それともいつか芽が出るのか。
「蓮は泥より出でて、泥に染まらず。」ぴんと立った葉の上では、朝露が透明に光る水滴となってゆらゆら揺れて清々しく、鮮やかなピンクの大輪の美しさと気高さを一層際立たせます。そんな蓮を仏教では、悟りや浄土の象徴としています。どの寺院でも各所に蓮の意匠を見かけ、仏様は蓮華座に座っておられます。
稲泉寺には毎年多くの人が蓮の花を見に訪れます。その人出が絶えたころ、蜂の巣のような花托から実がこぼれ落ちます。その中に、2000年後、3000年後に花を咲かせる実があるかもしれません。その時が、今と同じように美しい蓮の花が咲き、多くの人がその美しさを愛でることができる世の中であることを願っています。
「水無月」令和元年6月
いよいよ梅雨の時季です。この広報がお手元に届く頃は梅雨入りしているものと思います。梅雨入りの6月が「水無月」とは不思議に思い語源を調べると、「無」は連体助詞で「の」とのこと。だから「水の月」ということで納得しました。もっとも田に水を引くので川に水が無いからという説もありますが。
例年、この地域の梅雨明けは7月20日前後です。その後は俗に「梅雨明け10日」と言われ、10日間ほど太平洋高気圧に覆われて、雨が少なく、気温が高くなります。しかし、10日で済んでくれるといいのですが、長くなると農家、特に米農家には大変です。稲の穂が出て花が咲くのが8月上旬から中旬にかけてです。この時期の稲は最も多く水を必要とします。水不足になると収穫量が減り、しかも品質が落ちます。昨年は、雨不足に加えて猛暑だったため、農家は大変な苦労をしました。
梅雨は雨だけでなく、蒸し暑さや食中毒などあまりいい印象はありません。早く明けないかと待ち遠しい人が多いと思います。例年だと梅雨が明けて暑くなる頃に学校は夏休みになります。ところが昨年、梅雨明けが早く、学校の暑さ対策が問題になりました。猛暑は夏休み明けも続き、全国で急きょエアコン設置が進み、村ではこの6月中に設置を完了する計画です。
近年、夏になると川の水が極端に少なくなり、更に雨不足だと農作物は水不足になり、毎年のように渇水対策本部を設置しています。まさに「水無月」です。人にも農作物にも欲しいときに適度に降る恵みの雨を願っています。
「新時代に希望を」令和元年5月
いよいよ令和の時代になりました。この10連休は、平成最後・令和元年と様々な催しが続き、好天にも恵まれ全国各地が賑わいました。なかには人出が多すぎて嬉しい悲鳴を上げながらも、困惑した行楽地もありました。特にサービス業の人は大変だったと思います。しかし、その賑やかな新時代の幕開けに希望を持った人も多いのではないでしょうか。
景気は本来、景色や雰囲気を表す意味合いでした。世の中の雰囲気が良く、今日より明日、今年より来年が良い年になると思えば自然に財布の口が緩み、逆なら閉まります。企業は、雰囲気を見て多く売れると思えばたくさん作り、見込みどおり売れれば好景気になります。逆なら不景気です。
今、新たな時代の幕開けに盛り上がっています。このまま秋のラグビーワールドカップ、来年の東京オリンピック、パラリンピックへと続いてほしいと願っています。この盛り上がりこそが日本に好景気をもたらすからです。
格差が広がり、世の中の出来事は自分と無関係、明日のことはは分からない、今日生きていくだけで精いっぱいという人もいます。しかし、一人一人の気の持ちようが集まって国全体の雰囲気、つまり景気を左右しているのだとすれば、新たな時代に夢と希望を持つことが回りまわって自分の暮らしを良くする。そんなふうに考えることもできます。
「平成から令和へ」平成31年4月
間もなく時代は、平成から令和に変わります。「令和」は初めて日本の古典から選定され、話題になりました。この典拠となったのは万葉集の「梅花の歌序文」ということです。万葉集が編纂された8世紀後半まで、花と言えば梅だったそうです。それが10世紀前期に編纂された古今和歌集では、桜に取って代わられます。以来千年以上、日本人にとって春の花と言えば桜です。
そして、古今和歌集の代表作に在原業平が歌った「世の中に 絶えて桜のなかりせば 人の心は のどけからまし」があります。もし桜がなければ、いつ散ってしまうのかと憂うこともなく、のんびりできるのに。翻って、日本人の桜への愛情を歌った傑作だと思います。若いころ友人が「桜」を「女」に、「人」を「男」に読み替えました。なるほどと思わず笑ってしまいました。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、未婚者(18歳以上34歳)で「交際相手がいない」のは男性が約7割、女性が約6割で、徐々に増加する傾向にあるそうです。更にその半数近くが「交際を望んでいない」とのこと。それに伴って、未婚率も上昇しています。要因として収入が少ないとか家庭の事情などありますが、出会いの機会が少ないというのもあります。村では婚活イベントなど出会いの機会を作っていますが、参加者集めに苦労しています。特に男性の。
時代が変われば、人の心も変わる。梅が桜に変わったように。そんなのんきなことを言っていられない時代になりました。少子化は令和時代に克服しなければならない大きな課題です。