公開日 2013年3月21日
更新日 2024年4月18日
安全・安心宣言「有機の里 木島平」
環境と調和のとれた持続的な農業生産を目指して
第9回環境保全型農業コンクール農林水産大臣賞受賞
安全・安心の「有機の里木島平」にトキ飛来
我らエコファーマー「自然環境との共生を目指します」
安全・安心 有機の里づくり
木島平村では「自然劇場きじま平」をキャッチフレーズに豊かな自然と共生する村づくりを進めています。「有機の里づくり」は、
- 未利用資源を活用した資源循環型(耕種と畜産の連携)の持続的な農業生産体制を確立し、肥沃な農地と自然環境を次世代に引きつぐこと。
- 化学肥料や化学合成農薬の使用を減らし、安全で安心な農産物の生産により、信頼される産地づくり(木島平ブランド)を進めること。
この2つを主目的とした取組です。
なぜ有機の里づくり?
農業生産活動における化学肥料、化学合成農薬の多投と依存により農地や自然環境への負荷及び人体への影響が国内はもとより地球規模の課題となっています。
また、最近では無登録農薬の使用や農畜産加工品の偽造表示事件などが跡を絶たない状況から「食の安全性と信頼性」がこれまで以上に求められています。木島平村ではこうした状況を打開するため、生産者の顔の見える安全で安心な農産物の生産と供給基地づくりを進めています。
取り組みの内容
木島平村有機センターを核とした、未利用資源の利活用と土づくり(資源循環型農業)
畜産農家から排出される家畜排泄物(糞尿)と菌茸農家から排出される培地残さを活用して高品質堆肥化(有機質資材)を図り、農地への還元を行ない安定的な生産に必要な地力の増進と減化学肥料栽培による自然環境の保全を促進するとともに、合わせて畜産農家・菌茸農家の生産環境の改善(クリーン化)を図ります。また木島平村有機センターを核として農業生産の畜産・菌茸分野と耕種分野の有機的な連携体制を確立し、資源循環型農業を実現します。
循環型農業の核「有機センター」。平成15年度長野県堆肥共励会優秀賞を受賞しました。
有機堆肥「ふう太のゆうき」
安全・安心農産物栽培の推進体制
木島平村有機の里推進室
木島平村役場産業課、農業改良普及センター、北信州みゆき農業協同組合、木島平村農業振興公社、土地改良区で推進室を組織し、安全・安心農産物栽培基準の作成と農業技術指導、販売開発などの事業を担当。
木島平米ブランド研究会
人と環境にやさしい安全で安心な木島平米の生産並びに販売を行う研究組織。減化学肥料・減農薬(慣行比50パーセント)による特別栽培米に取り組む。2000年4月27日再編。
詳しくは「木島平米ブランド研究会」をご覧ください。
木島平有機米研究会
JAS認定に取り組む農家の組織。2002年4月7日発足。
木島平ベジタクラブ
野菜類の安全・安心農産物栽培に取り組む農家組織。2002年3月31日発足。
詳しくは「木島平ベジタクラブ」をご覧ください。
エコファーマーの推進
エコファーマーとは「土づくり・減化学肥料・減農薬」の3つの技術に一体的に取り組む農業者のことです。
木島平では、環境にやさしい農産物の栽培とともに、エコファーマーの取得についても推進しています。
エコファーマーについて詳しくは長野県の「エコファーマー制度について」をご覧ください。
安全・安心農産物栽培基準栽培基準と品目拡大
信州の環境にやさしい農産物認証制度で示す化学肥料・化学合成農薬の削減率50パーセント以上を目安に、推進室で村の栽培基準を作成し、農家への普及を図っています。
第一段階として基準栽培農家の拡大と対象品目の拡大を目指し、化学肥料と農薬の使用を低減した栽培を拡大し、生産体制を確立。市場開拓と農産物のブランド化による有利販売につなげます。
第二段階として、JAS有機農産物の認定を目指して各種試験を実施。成熟した品目から順次JAS有機農産物に移行していきます。
代替防除法の導入と減農薬栽培の実施
農薬の使用に代えて、フェロモン剤(交信かく乱剤)の設置導入や土着天敵の活用及びコンパニオンプラント、被覆資材の導入を実施し農薬散布の低減を図っています。また病害虫の発生予察による効率的な防除を推進してます。
土壌が持っている本来の力と自然界の力を最大限に引き出し、効果的な組み合わせによるIPM(病害虫総合管理技術・栽培)の活用を行ない、化学肥料と農薬に偏重しない栽培の普及・実践を行います。また、農薬用廃プラスチックの適正な処理を実施し、自然環境の保全を目指します。
フェロモン剤(交信撹乱剤)の設置
水田除草機による除草試験
いもち病発生予察支援装置「スーパーたけだくん」
いもち病発生予察への取り組み
安全・安心農産物の流通拡大
農産物のブランド化は「生産者のこだわり」と「消費者の理解」が融合し、安全安心の価値観として生まれるものです。村では北信州みゆき農協・木島平村農業振興公社と協力し、積極的なPRと販路の拡大を目指し、農産物直売所「たる川」や調布市のアンテナショップ「新鮮屋」、また学校給食への活用などを展開しています。
食彩市場「たる川」
調布市のアンテナショップ「新鮮屋」
地産地消の推進と食農学習の展開
農産物のブランド化を図るには、まず地域で認められることが重要と考えています。地域の安全で安心の農産物を、地域で消費する「地産地消」と「旬産旬消」を推進するとともに、「学校給食」での利用を促進し、次世代を担う青少年の健全育成のため「食」を通じて「総合的な地域学習」の展開を図っていきます。
地元の食材を給食へ。木島平型食農学習の実践
地産地消を支える給食センター。すこやかに育て「木島平っ子」
生産者・消費者の交流 -「食」大切な物を見直す-
生産者と消費者が膝を交えて話し合いを行い、相互理解を図るとともに産地から食卓までの距離(実距離と感覚距離)を縮めるため生消交流を積極的に展開します。
日程1:有機の里づくり学習会
- 生産現場・堆肥センター見学
- 生産者・消費者班別交流懇談会
日程2:村内名所見学
- 郷土食体験
- 農産物直売所見学
生産者・消費者交流懇談会の様子
「郷の家」でスローフード「郷土食」の体験
自然環境の豊さを検証 -下高井農林高等学校連携事業-
村内に存する県立下高井農林高等学校の生物資源コースの生徒と連携して、有機の里づくり学習校外講師の派遣、田んぼの生物調査、環境面からの役割などの学習活動と校外学習を進めています。
まだまだ動き始めたばかりで確立した取り組みには至っていませんが、地域校と連携して毎年の継続を重ね「木島平版田んぼ図鑑」の発刊を目指しています。
-夕焼け小焼けプロジェクト- と題して高校と行政そして地域との連携を図っています。
田んぼや水路での生き物調査の様子
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