○木島平村地下水保全条例
平成26年9月17日条例第32号
木島平村地下水保全条例
(目的)
第1条 この条例は、村民生活にかけがえのない資源である地下水を将来に引き継ぐため、地下水利用の現状把握及び乱開発の防止を図り、地下水資源を保護し、村民の快適な生活環境を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 地下水 地下に存在する全ての水資源(温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項に規定する温泉、鉱業法(昭和25年法律第289号)第3条第1項に規定する可燃性天然ガスを溶存する地下水並びに河川法(昭和39年法律第167号)第3条第1項及び第100条第1項に規定する河川の流水であることが明らかなものを除く。)をいう。
(2) 井戸 動力を用いて地下水を採取するための施設をいう。
(3) ストレーナー 井戸に設けられた収水孔(「スクリーン」ともいう。)をいう。
(4) 採取者 第8条の規定により許可を受けた者及び第13条の規定により届出をした者をいう。
(5) 規制区域 水道水源から半径500メートル以内の区域をいう。
(適用除外)
第3条 この条例は、国又は地方公共団体が事業者である場合には適用しない。
(村の責務)
第4条 村は、村民生活に支障が生じないようにするための地下水の保全に係る施策を実施しなければならない。
(村民の責務)
第5条 村民は、地下水がかけがえのない資源であることを認識し、村が行う地下水の保全に関する施策に協力しなければならない。
(採取者の責務)
第6条 採取者は、地下水を保全するために必要な措置(かん養し、水採取量の縮減に努める。)を講ずるとともに、村が実施する地下水の保全に関する施策に協力しなければならない。
(事前協議)
第7条 村内で地下水を採取するため井戸を掘削しようとする者のうち、当該井戸の計画が次のいずれかに該当する場合は、村長とあらかじめ協議をしなければならない。
(1) 揚水機の吐出口の断面積(吐出口が2以上あるときは、その断面積の合計)が20平方センチメートル(口径約50ミリメートル)を超えるもの
(2) 深度が30メートル以深のもの
(3) 採取日量が100立方メートルを超えるもの
(4) 規制区域内
2 前項の協議をする際には、次に定める書類を添付しなければならない。
(1) 井戸の設置場所を示す25,000分の1程度の位置図及び公図の写し
(2) 揚水機の配置図及び構造図
(3) 掘削場所の土地所有者を明らかにする書類及び同意書
(4) 井戸の設置場所から半径200メートルに掛かる村内行政区の区長の意見書
(5) 水道水源から半径500メートル以内の水道事業者の意見書
(許可申請)
第8条 前条の規定により協議を修了した者は、次に掲げる事項を記載した申請書を工事に着手しようとする90日前までに村長に提出し許可を受けなければならない。
(1) 氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)及び住所
(2) 地下水の用途及び利用計画等
(3) ストレーナーの位置、揚水機の種類、吐出口断面積の確認ができる書類
(4) 掘削深度と1日平均採取量が確認できる書類
(5) 申請者と利用者との関係等を表す書類
(6) 掘削完成後の利用施設の排水処理方法及び施設等の図面
2 村長は、前項の場合において、次条に定める許可要件の全てに適合していると認める場合でなければ、同項の許可をすることができない。ただし、村長が公益上必要と認める場合は、この限りではない。
3 村長は、第1項の許可に、必要な条件を付することができる。
(許可要件)
第9条 地下水の採取に関する許可要件は、次に定めるところによる。
(1) 地下水の有効的な利用に支障がないこと。
(2) 既存の水道水源又は井戸に影響を及ぼすおそれがないこと。
(3) 採取する地下水の用途が必要かつ適当であること。
(4) 他の水をもって代えることが困難であると認められること。
2 地下水の採取予定位置が他の市町及び村との境界付近の場合は、関係自治体と協議を行うものとする。
(影響調査)
第10条 第8条第1項の定めにより許可を申請する者(以下「許可申請者」という。)は、当該井戸で地下水を採取した場合に、周辺村民等が利用する地下水の水位に及ぼす影響を事前に調査しなければならない。
2 村長は、前項の調査の際に村職員等を立ち会わせることができる。
3 第1項の調査の結果、周辺村民等が利用する地下水の水位が減少し、その利用に支障を及ぼすことが明らかな場合、許可申請者は井戸の設置場所の変更等、必要な措置を講じなければならない。
(許可又は不許可の決定)
第11条 村長は、前条の規定により許可申請者から申請があったときは、90日以内に許可又は不許可の決定をしなければならない。ただし、特別の事情がある場合は、この限りでない。
2 村長は、許可又は不許可の決定をするときは、その適否について、第19条に規定する木島平村地下水保全審議会に意見を求めることができる。
3 村長は、第1項の決定をしたときは、文書をもって許可申請者に通知しなければならない。
4 許可を受けた井戸が、ストレーナーの位置の変更若しくは許可対象要件を大きくしようとする場合又は変更により許可対象要件に該当する場合は、第7条に規定する事前協議から協議を行うものとする。
(完成の届出)
第12条 許可申請者は、井戸が完成した日から15日以内に村長に完成届出書を提出し、その検査を受けなければならない。
(地下水の採取の届出)
第13条 第7条第1項に規定する要件に該当しない井戸を掘削しようとする者は、あらかじめ第9条に規定する事項を記載した届出書を村長に提出しなければならない。
(既施設設置者の届出)
第14条 この条例の施行の際、現に第7条第1項に規定する井戸を利用し、又は掘削している者は、この条例の施行の日から90日以内に規則で定める届出書を村長に提出しなければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、第8条第1項の許可を受けたものとみなす。
3 村長は、第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者が正当な理由なく村長の指導に従わないときは、その旨を公表することができる。
(変更の届出)
第15条 採取者は、第9条第1項各号に定める事項に変更があった場合においては、その変更のあった日から30日以内にその旨を村長に届け出なければならない。
(許可及び届出の承継)
第16条 採取者から許可又は届出に係る施設を譲り受け、又は借り受けた者は、当該施設に係る採取者の地位を承継する。
2 採取者について、相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、採取者の地位を承継する。
3 前2項の規定により、採取者の地位を承継した者は、その承継のあった日から30日以内にその旨を村長に届け出なければならない。
(許可の失効)
第17条 許可申請者が、その井戸につき次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、当該井戸に係る許可は、その効力を失う。
(1) 井戸を廃止したとき。
(2) 井戸の揚水機を動力によらないものとし、又は第7条第1項の要件に該当しなくなったとき。
2 井戸を廃止した者は、井戸を廃止した日から30日以内にその旨を村長に届け出るとともに、当該井戸周辺の水環境に影響を与えないために必要な処置を講じなければならない。
(許可の取消し等)
第18条 村長は、偽りその他不正な手段により許可を受けた者に対して、その許可を取り消すことができる。
2 村長は、第8条第1項の規定に違反して許可を受けないで井戸を掘削した者又は同条第3項の規定により付した条件に違反した者に対し、その違反を是正するため、期限を定めて、必要な措置をとることを命ずることができる。
3 村長は、予見することができなかった特別な事情の発生により、地下水の保全を図るため、緊急の必要があると認めるときは、採取者に対し、相当の期間を定めて、地下水の採取を制限することができる。
(審議会)
第19条 村長は、地下水の保全に関する重要事項を調査審議するため、木島平村地下水保全審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(任務)
第20条 審議会は、この条例に規定されているもののほか、地下水の保全について村長の諮問に応じて調査審議するものとする。
(組織)
第21条 審議会は委員10人以内をもって組織する。
2 審議会の委員は、次に掲げる者のうちから、村長が委嘱し、又は任命する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 各種団体の代表者
3 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
4 委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第22条 審議会に会長及び副会長を置き、委員が互選する。
2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第23条 審議会は、必要に応じ会長が招集する。ただし、定数の半数以上の委員から審議会招集の請求のあったときは、会長はこれを招集しなければならない。
2 審議会の会議は、会長が議長となる。
3 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
4 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(立入調査)
第24条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、職員をして当該井戸が設置された土地に立ち入らせ、調査させることができる。
2 前項の規定により調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(指導等)
第25条 村長は、地下水の保全上必要があると認められるときは、採取者又はその代理者に対し、指導若しくは助言をし、又は期限を定めて必要な措置(採取行為の一時停止を除く。)を講ずるよう勧告することができる。
(措置命令)
第26条 村長は、前条の規定による勧告を受けた者が、当該勧告に係る措置を怠ったときは、期限を定めて、当該措置を講ずるよう命ずることができる。
(措置の届出)
第27条 第25条の規定による勧告又は前条の規定による命令を受けた者が、当該勧告又は命令に係る措置をとったときは、7日以内に村長に届け出て、その検査を受けなければならない。
(停止命令)
第28条 村長は、第26条の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、必要な限度において期限を定めて、採取行為の一時停止を命ずることができる。
(氏名等の公表)
第29条 村長は、第25条、第26条又は前条の規定による勧告又は命令を受けた者が、正当な理由なくしてその勧告又は命令に従わないときは、当該勧告又は命令に従わない内容及びその者の氏名等を公表することができる。
2 村長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、公表をされることとなる者に対し、その理由を通知し、及び意見を述べる機会を与えなければならない。
(委任)
第30条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第31条 第18条第2項、同条第3項及び第26条の規定による命令に違反した者は、30万円以下の罰金に処する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
(1) 第8条第1項の規定による許可を受けないで井戸を設置した者
(2) 第8条第1項の許可を受けるに当たり、偽りその他不正な手段を用いた者
(3) 第8条第1項の規定による許可を受けないで井戸を変更した者
3 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
(1) 第12条、第13条又は第17条第2項の規定に違反した者
(2) 正当な理由がないのに第24条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者
(両罰規定)
第32条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条各項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、当該各項の罰金刑を科する。
附 則
この条例は、平成27年4月1日から施行する。