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村長ひとこと(令和4年度)

公開日 2022年6月15日

更新日 2024年2月1日

木島平村長 日䑓 正博(ひだい まさひろ)

村長画像

【新型コロナ対策の継続を】

昨年のワクチン接種には医療関係者をはじめ多くの村民の皆さんのご協力をいただき、10月末には対象者の9割以上の皆さんに2回接種を受けていただきました。村民の皆さんの感染防止対策の効果もあり、昨年後半は村内での感染者はほとんど出ませんでした。感謝申し上げます。
また、昨年暮れは全国的にもコロナの感染者が減り以前の生活が取り戻せたかのような雰囲気でした。スキー場も豪雪やコロナの感染拡大が、懸念される厳しい状況の中ではありましたが、まずまずのスタートを切ることができました。
しかし、オミクロンという新たな株の出現により急激に感染者が増えています。入院率や重症化率は低いと言われますが、感染防止対策は継続しなければなりません。
【気候非常事態宣言を表明】
村では昨年「気候非常事態宣言」を行いました。今年は降雪が多くなりましたが、スキー場で雪不足の年が多くなり、夏の平均気温が上がり、猛暑は村の特産品である米作りにも悪影響を与えているのではないでしょうか。
温暖化対策は世界的な課題ですが、最終的には一人一人の行動によって結果が出ます。村として何ができるのか、具体的な検討を始め、令和4年度から徐々に事業化してまいります。まずは、馬曲川発電所の能力アップや再生可能エネルギーの活用、省エネ、住宅などの断熱化を推進していきます。また、家庭や個人でできることを提案していきたいと考えます。
最近はSDGsへの関心も高まっています。下高井農林高校のプロジェクトや中学生議会でも取り上げられました。SDGsの目的は、今世界中で起きている環境問題(気候変動も含む)や紛争、貧困、人種問題などをなくし、持続可能な農業や海洋資源の保全、持続可能なエネルギー、誰もが生涯にわたって学び続けることができる環境など17の持続可能な発展目標を実現し、私たちがこの地球上で安心して暮らし続けることができる社会を作ることです。
こちらも何か大掛かりな取り組みのように受け取られていますが、家庭や個人でできることがたくさんあります。マイボトルやエコバック、節電、ゴミの減量・資源化、家庭菜園などです。村からも情報を発信していきますので、村民の皆さんにもぜひ一緒に考えていただきたいと思います。

【非常災害に備えて】

昨年は、夏の集中豪雨により被害がありましたが、大きな災害はなく、その面では平穏でした。しかし、災害はどんな形でいつ襲ってくるかわかりません。旧役場庁舎跡地には防災広場と災害用備品などの保管施設を整備しました。河川や道路などのインフラ整備、避難所の耐震化などを進めてまいります。

【住みたい田舎として】

ある雑誌の「住みたい田舎」ランキングでは昨年に続き上位に入っています。子育て環境や健康福祉施策の充実など安心で安全な村づくりを行っていることが評価されました。
しかし、それ以上に外から見ると、村民の皆さんの暮らしぶりや恵まれた自然景観や農村風景など、ここに暮らしている私たちが気づいていな魅力がたくさんあるのではないかと思います。まずは今住んでいる皆さんが、これからも住み続けたい村にしなければなりません。
コロナ禍は私たちの生活に大きな変化をもたらし、リモートワークやキャッシュレス化などはコロナ終息後も定着するでしょう。私も何度かオンライン会議を行いましたが、全国各地にいる人と同時に会議をでき、企業では当たり前になっているようです。村でも日常生活や産業、教育など様々な分野で変化を上手く受け入れるための対応が必要と考えています。

【さいごに】

オミクロン株により新型コロナウイルスが再び急拡大しています。もうしばらく我慢して力を蓄えましょう。そして終息後には、失ってしまった分以上に取り返しましょう。
改めて令和4年が飛躍の年になることを願い年頭の挨拶といたします。

(広報 令和4年1月号抜粋)

「ラニーニャ」令和4年12月

 コロナの感染はまだ続いていますが人の動きは活発になってきました。スキー場への入込が増えることを期待しています。しかし、原稿を書いている時点で雪はありません。長期予報では、降雪が多いとしていますが。
 地球上には、季節風と恒常風があるそうです。季節風は文字通り季節によって吹く方向が違います。対して、恒常風は地球の自転によりほぼ1年を通して同じ向きに吹いている風です。よく耳にするのは貿易風と偏西風です。近代以前、風力に頼って航海していたころは大事な風でした。
 貿易風は赤道付近を吹く東風です。正確には北半球の場合、北東風です。偏西風は北緯30度以上の中緯度、つまり日本付近に吹く西風です。正確には南西よりの風です。つまり日本上空は常に西風が吹いています。赤道付近で発生した台風が最初は西に進み、途中で向きを変えて東に進むのは、赤道付近では貿易風に乗り、日本付近で太平洋高気圧の影響で北上すると今度は偏西風に乗るためです。
 太平洋上で暖められ湿った空気は、貿易風によってインドネシアなど赤道付近に集まります。弱い時は集まりが少なくエルニーニョ現象、強い時は多く集まりラニーニャ現象となります。細かく説明できませんが、ラニーニャの年は日本上空の偏西風が南に蛇行します。すると寒気が入りやすくなり、冬の気温が下がる傾向になり、昨シーズンは雪が多く降りました。ラニーニャはまだ続いています。雪国にとって雪は生活の糧でもあります。降りすぎは困りますが適度に降ってほしいものです。

「コロナ感染」令和4年11月

 新型コロナ第7波が収まり切らないうちに第8波の兆しが出てきました。ワクチン接種が進み重症化のリスクが減ったとは言え油断はできません。移動制限が少なく、人の動きが活発になっています。全国旅行支援などで有名観光地はかなり混雑しています。周辺でもイベントや懇親の機会が増えてきました。これまで以上に自己管理が大事です。
 そう言いながら私も感染してしまいました。家族が陽性になったため隔離し、家庭内でもマスクをし、できるだけ家族でも接触しないようにしていましたが、見えない敵は手強い。一人目から二人目、日時をおいて広がり三人目は私でした。家庭内での感染防止対策は難しい。特に小さいお子さんがいる家では大変だろなとつくづく思いました。
 隣国では雑踏の中で多くの若者が圧死するという悲劇が起きました。新型コロナへの恐怖がピークの頃であれば失われるはずのない命であり残念ですが、溜まったストレス発散が原因とすれば、やはりコロナの犠牲者と言えるかもしれません。
 この原稿は、自宅療養中に書いています。今のところ大した症状はありませんが、65歳ということで保健所への届け出対象者になり、療養は1週間になります。第8波のピークは11月下旬から12月にかけてと予想され、村ではオミクロン対応のワクチン接種を進めています。間もなく4年目になりますが、その先は分かりません。恐れながらも、恐れすぎないウィズコロナの生き方が必要です。

「核戦争」令和4年10月

 劣勢に立たされたロシアが核兵器を使うのでは。そんな記事が多くなりました。「ロシア国民と国土を守るため」という理由ですが、それを信じているのは一部のロシア国民だけで、世界の多くの人は、他国の領土と人命を奪うためだということを知っています。
 核兵器の恐ろしさは広島・長崎の経験で世界中が知ることになりました。あまりの悲惨さ、残酷さが使用のハードルを上げてきました。しかし、戦争で自国が不利になったからと言って安易に使用することはそのハードルを下げてしまいます。また、チェルノブイリ原発事故を経験したにもかかわらず、原子力施設への攻撃を行うなどあまりの無謀さにあきれてしまいます。やはり戦争は正常な判断力を奪ってしまうのでしょう。
 残念なことにロシアとウクライナの主張は隔たりが大きく、停戦や終戦に向けての落としどころがないというのが現実です。勿論、ロシアの主張を認めることは今後、世界に火種をまくことにもなります。平和と国際秩序を守ることと自国の利害が一致しないこともあります。それを調整するのが国連の役割ですが、拒否権も持つ国が当事者であってはうまく機能しません。また、これから冬に向けてエネルギー資源をロシアに頼っているヨーロッパは足並みが揃わなくなることも心配です。
 日本でも燃料や物価の高騰など大きな影響が出ています。しかし、核戦争はそれとは比較にならないほど大きな脅威です。とにかく核兵器の使用は止めてもらいたい。核戦争は人命だけでなく、人類の未来も奪います。

「水」令和4年9月

 中国やアメリカ西部、ヨーロッパでは干ばつになり、パキスタンでは国土の3分の1が水没したと言われます。大きな湖や川が干上がり川底の遺跡が現れ、一方では一帯が水没し逃げ場がないという映像が流れました。いずれも過去に例がないとか、数百年ぶりと言われています。今年の世界的な異常気象の大きな原因は偏西風の蛇行とのことです。例年より蛇行の幅が大きくなっています。ただ大きく蛇行する原因はわかりません。温暖化によるものか、単なる地球の気まぐれか。
 水は陸や海の表面で暖まり水蒸気となって上昇し、再び雨や雪となって海や川、山に戻ってきます。地球上の水の量はほぼ一定で、どこかで干ばつになれば、他のところでは洪水が起きるということになるそうです。地球温暖化はそれを更に助長し、降れば大雨、降らなければ水不足、降っている所は洪水、降らない所は干ばつという状況が増えるようです。
 水は「命の源」です。水がなければ私たちは生きていけません。そもそも地球上に水がなければ生命そのものが生まれなかったのです。水の恩恵は計り知れません。しかしその水によって苦しめられることもあるのは皮肉です。
 今年の夏も日本は猛暑となりましたが、今のところ世界的に見ればまだましと言えるようです。心配した台風11号では、この周辺でも少し強い風が吹きましたが大きな被害はありませんでした。しかし、台風シーズンはこれからです。間もなく「実りの秋」、風水害がなく旨い木島平米が無事に収穫できることを願っています。

「追悼」令和4年8月

 安倍元総理が凶弾に倒れるという衝撃的なニュースが世界中を駆け巡りました。日本の首相として最長期間を務め、最後は銃弾に倒れると誰が想像できたでしょう。驚きとともに怒りを感じます。バブル崩壊後、日本経済は低迷を続け、アベノミクスで再生しようと取り組みました。政治、経済、外交で強いリーダーシップを発揮し、その姿に何とかしなければという強い意志を感じました。
 個人的には県のアーチェリー連盟総会やルクセンブルク大公が国賓として日本に招かれた際の晩餐会などで何度かお会いする機会がありました。在任中、全日本アーチェリー連盟の名誉会長でしたが、学生時代アーチェリー部ではレギュラーになれなかったなどと気さくに話されました。
 政治的な背景かテロと思いました。しかし、宗教がらみとはいえ個人的で理不尽、短絡的な理由で加害者の行動は理解できません。最近の重大犯罪では、犯人が結果の重大性を理解できない、理解しようとしないように思います。個人的な理由でとった行動が社会に混乱を招き、多くの人の人生を狂わせることを想像できない人が増えているのではないでしょうか。
 総理大臣は誰でもなれるものではありません。また誰にでも務まるものでもありません。そして大きな権力を持ちます。しかし、同じ生身の人間です。私たちには想像がつかない心労があったはずです。退任後も政治的な影響力が大きいと言われましたが、少し肩の荷を下ろし、自分自身の人生を楽しむことができるのはこれからでした。心からご冥福をお祈り申し上げます。

「猛暑と電力」令和4年7月

 梅雨があったのか、なかったのか、とにかく熱い6月でした。梅雨らしかったのは、梅雨がないと言わる北海道。これが地球温暖化の影響であれば、今後このような年が増えることになります。
 最高気温25度以上の日が「夏日」、30度以上の日が「真夏日」、35度以上の日が「猛暑日」です。猛暑日が気象庁の正式な用語になったのは15年前、それ以前は珍しかったようです。21世紀に入り40度以上の日が増えました。いつか40度以上の日に名前がつくでしょう。
 あまりの暑さに先月、関東などで電力ひっ迫注意報・警報が出されました。日本の電力事情はどうなっているのか不安になります。電力不足の大きな要因は東日本大震災以降、国内の原子力発電所がほとんど稼働していないことです。また、再生可能エネルギーでは、太陽光や風力が有力ですが、風力は気象条件の影響を受け、太陽光は昼間だけで必要な時間に発電できるとは限りません。主力は火力発電ですが二酸化炭素を大量に発生させるため新たな建設はできません。結果として電力不足になっています。
 必要な時に電気が使える大容量蓄電池、二酸化炭素を排出しない火力発電など革命的な技術が必要です。いずれも日本は世界の先端を行っているということで期待したいものです。しかしそれはまだ先の話。当面はこの暑さと電力料金の高騰をどうしのぐかです。節電しながら熱中症予防にエアコンや扇風機などを上手に使う。矛盾しているようですが、ブラックアウト(大規模停電)を回避しながら地球環境と家計に優しい行動しかありません。

「情報社会」令和4年6月

 長い間話題の中心が新型コロナでしたが、最近徐々に変わってきました。ロシアのウクライナ侵攻、知床遊覧船、円安、物価高騰、いずれも私たちの生活にかかわる大きな問題です。私たちが求めていることをより多くマスコミが取り上げているのでしょうが、情報量により私たちの関心も左右されます。情報には人を動かす力があります。政権維持のため、国民に偏った情報を流し、都合の悪い情報は消去して言動を操作している国もあります。
 情報社会という言葉が出て久しくなります。その進化はさらに加速し、同時に情報との関わり方にも大きな変化が起きています。過去、私たちは主に情報を受け取る側でした。今では、スマホやパソコンで誰でも、いつでも、どこでも情報を簡単に発信できる側にもなっています。そこには世代間のギャップがあります。
 今、小学校ではタブレットを使って学習し、プログラミングを学んでいます。これからの社会で必須のスキルです。一方では使いこなせない世代があります。それが混在しているため情報に対する道徳観や価値観が異なってしまっているのではないでしょうか。間違った、もしくは故意に歪めた情報を発信し混乱を招くこともあります。スマホの位置情報、オンラインやキャッシュレス決済で消費傾向など私たちの情報がデータとして商品化されています。
 ICTやAI技術の高度化による情報社会は、トータルではプラスだと思いますが、マイナスの部分もあることは理解しなければなりません。

「自給率」令和4年5月

 今年のゴールデンウィークは好天に恵まれ観光地は混雑したようです。3年ぶりに規制がなく、新型コロナの感染防止対策をとりながらも徐々に活気づき、これからの経済再生に期待できそうです。
 しかし一方では物価の高騰が暗い影を落としています。円安やロシアのウクライナ侵攻、新型コロナによる世界的な物流の混乱などが原因です。日本は食料やエネルギーなど生活に欠かせない物ほど自給率が低く、改めて輸入頼みの国だということを実感させられました。小麦価格の高騰でパンやラーメンも値上がりしています。主な食品のうち国内自給率が高いのは米と野菜です。ぜひ、ごはんを食べてほしいと思いますが、残念なことに日本人一人当たりの消費量が増えているのは輸入に頼っている肉や果物類で、米と野菜は減っています。
 資源と耕地が少ない日本は常に国外の状況により生活が左右されます。食糧安全保障の政策と再生可能エネルギーによるエネルギー自給率の向上が急務です。
 最後に、先月下旬、姉妹都市調布市の深大寺前住職 張堂完俊大僧正の本葬儀に参列しました。ご逝去されたのは2年近く前ですが、新型コロナの感染拡大により延び延びになっていました。深大寺を舞台にお田植え祭りや収穫祭など様々なイベントを行い、調布市との交流や村のPRに大変なお力添えいただきました。
 まだまだこれからもと残念ですが、弔問に訪れた皆さんに配られた蕎麦が深大寺と木島平の畑で栽培したソバであったことがせめてもの恩返しかと思います。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

「成人年齢」令和4年4月

 あれ程あった雪が消え、福寿草が咲き、桜の便りが迫っています。この広報がお手元に届くころは開花しているかもしれません。
 4月は入学、進学、就職と人生の大きな節目です。卒業式、入学式に立ち会わせていただきましたが、それぞれ夢と希望をもって新たな生活をスタートしました。節目と言えば成人も大きな節目です。この4月、成人年齢が18歳になりました。しかし、選挙権年齢が18歳になった時に比べ大きな話題になっていないように思います。新型コロナやロシアのウクライナ侵攻など大きなニュースに飲み込まれてしまった感があります。
 成人と言っても、飲酒や喫煙などは二十歳を過ぎてからです。最も大きな変化は、これまで親の同意が必要だったアパートや携帯電話などの契約、クレジットカードを作る、ローンを組むなどが自分の判断と責任でできるということです。金銭の絡む契約などはある程度知識が必要です。最近は、パソコンやスマホなどオンラインで気軽に買い物や様々な契約ができます。若者にとってはそちらが主流です。欧米では子供が早く自立するよう家庭や学校で資産運用や貯蓄、借金など金融教育を子供の時から行っているそうです。軽い気持ちで行ったことで後悔しないようにしなければなりません。
 成人年齢の引き下げの目的は、大人として早く社会参加するよう促すことです。大人としての自覚を持つにはより広い視野で物事を考える必要があります。自分のことだけでなく、地域のこと、国内のこと、そしてウクライナの惨状など広く世界に視野を向けてほしいと思います。

お問い合わせ

木島平村役場 総務課 政策情報係
TEL:0269-82-3111